宇津木瑠美・・・勝負の鍵を握るユーティリティプレーヤー 【なでしこジャパン・選手名鑑】

いよいよ、ロンドンオリンピックの開催日が近づいてきましたね。夏季オリンピックとしては第30回目となる記念の大会です。各国の代表選手がどのような活躍を見せるのか、想像するだけでも楽しいですね!今大会で注目度の高い選手を紹介するこの企画。今回は日本女子サッカー五輪代表、宇津木瑠美選手をクローズアップしてみたいと思います。

【宇津木瑠美】 うつぎ・るみ

生年月日:1988年12月5日(23歳)
出身地:東京都

身長:168cm
在籍チーム:モンペリエHSC
ポジション:DF
利き足:左足

守備のユーティリティプレーヤー

宇津木選手のストロングポイントは、フィジカルの強さを生かしたタイトなマンマーク、バイタルエリアの危険なスペースを察知する優れたカバーリング能力、身長を生かした空中戦の強さにあります。ボランチ、センターバック、サイドバックと守備的なポジションならどこでもこなせるユーティリィプレーヤー。左利きであることから左サイドバックのバックアッパーとしても貴重な戦力になっています。

センターバック転向への期待

クラブチームでは主にボランチとして出場していますが、2012年のアルガルベカップ以降、日本代表ではセンターバックとしてプレーする機会が増えています。宇津木選手は積極的に攻撃をしかけるタイプではなく、守備力に長けるプレーヤーです。なでしこジャパンの戦術上、ボランチの攻撃参加は不可欠なのですが、そういう意味ではプレースタイルに少し物足りなさを感じます。代表チームで宇津木選手を最大限に生かすポジションはセンターバックではないでしょうか。

欧州のフォワードにも当たり負けないフィジカルコンタクト、競り合いに強さを発揮する空中戦、スピードのある選手にも自由にプレーさせないマンマークの上手さ、パスミスの少ない精度の高いキックなど、有能なセンターバックになれる多くの資質を備えています。高さのあるストッパーが少ない代表チームでは、レギュラーを脅かす存在になれると思います。

試合終盤、守備固めでのボランチ起用

試合終盤で1-0や2-1の僅差でリードしているとき、または引き分けでもいいから勝ち点が欲しいとき、攻撃の選手を代えて宇津木選手をピッチに送り出すことは重要な意味を持ちます。フィールドプレーヤーは監督の指示を明確に受け取ることになるからです。

この時点から守備重視へ戦術がシフトされ「攻撃に人数をかけない」「相手のカウンターを警戒する」「中盤でボールを回して時間を使う」など、逃げ切りを図る作戦に切り替えられます。

ボランチの澤選手と阪口選手に加え、宇津木選手を中盤のディフェンスに据えることでバイタルエリアの危険なスペースを広範囲に渡ってカバーできます。宇津木選手はミッドフィルダーとディフェンダーの間にポジションを取り、アンカーの役割を果たして攻撃の芽を摘み取ります。勝負どころのディフェンスのオプションとして、重要な役割を担っているのです。

総括

ロンドンオリンピックでは一点を争う重要な場面での起用が考えられる宇津木選手。守備のスペシャリストとして、なでしこジャパンの勝利の鍵を握る選手だと思います。ロンドンでの活躍を期待しています!

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