最重度の知的障害と自閉症である娘の問題行動にどう対処しているか。こちらでいろいろとご紹介させていただいてますが、決して上手く行っているわけではない、日々修行のわが家。特に困っているのが「髪や洋服を強く引っ張る」ことです。
せめて引っ張る対象を「手」に置き換えようとして何年経つのやら。一時期ちょっとマシになった気がしたのに最近また頻度も強度も高まってきており、今朝なんかもそれはそれはひどいもので…相変わらずトップクラスの悩みです。
特に危ない運転中
クルマを運転している最中、急に髪を引っ張られることもあります。娘が座るのはいつも後部左座席(もちろん12歳になってもチャイルドロック)。シートベルトを外すことはしないものの、身を乗り出すことはできるので運転席に手が届きます。
娘の横に誰か座っている時はいいのですが、運転手と娘ふたりのときにお菓子の催促や「かまって」のサインがエスカレートすると、運転手の服の左腕や左肩部分、ひどい時には髪を引っ張ってくるのです。
これは本当に危険です。そこであれこれ考えたわたしとママがこの秋に導入したのがこちら。
アクリルのパーテーションです。
とにかく「仕切ってみよう」が最大の目的で、タクシーのように本格的なものは望んでおらず素材は何でもよかったのですが、例えばフックやマジックテープなどで留める程度の強度では娘に簡単に引きはがされてしまいます。なのでガシッと固定できるものを選びました。
この商品に付属でついてきた固定具はマジックテープだったので、娘の怪力には到底耐えられません。ということで別途購入した太めの結束バンドをヘッドレストの支柱部分にぐるりとまわし、ギュンギュンに固定しました。
さて、娘の反応は…?
なんですかこれ?
とりあえずスキマに顔を突っ込んでみたものの、理解に苦しんでますねえ(*^-^*)
なにぶんお試しで買ったもので左右の寸法が足りず、間から娘は腕を差し込むことができますが、パーテーションという邪魔があるおかげで「距離」を稼げます。
そして「視覚優位」である娘の興味がこのパーテーション自体に注がれるという効果もあり、少なくとも髪を引っ張られることはなくなりました。
しかしある時、衝撃の事件が。
そもそも「普通の子がしないことをする」んだった
片道2時間弱のドライブの折り返し地点。目的地で知人に挨拶したあと近隣を散歩して、さあそろそろ帰ろうかとクルマに乗せてほんの1分ぐらいした頃…
「バン!」という爆発音にも似た大音量と共に、2枚あるアクリルパーテーションの娘側の1枚が無残にも割れてしまいました。
娘の機嫌が悪かったわけではなく、ふざけてパーテーションに手をかけ、体重をかけたようなのです。前の座席側に押し込むスペースはあまりないので、自分の方へ引っ張ったのでしょう。
ああそうか…前半の方で「フックやマジックテープなどで留める程度の強度では娘に簡単に引きはがされてしまいます」と書いたように、そもそも「普通の子がしないことを『あえて』しでかす」のがウチの娘だった…。
「やってはいけない」「やったら怒られる」なんて発想がない(どこかに記憶があっても再生されない)から「引っ張れるから引っ張ってみた」ぐらいのことなんでしょうけど…まあ、ケガがなくて何よりでした。
次なる対策は?
真ん中にスキマがあっても一定の効果はあったので問題はパーテーションの強度、とするなら同じ商品を買ってアクリルパーテーションを「2重」にするか?
いや、「邪魔ができればいい」のであって「本気で引っ張ったら外れる」ぐらいの方が危険が少ないのか?
それともビニールクロスのような割れない素材で危険を避け、その場合は「取付け強度」に手間やお金をかけるか?悩みは尽きません。
とりあえず娘が私たちの腕を引っ張ろうとする時の運転席・助手席背もたれ部分のスキマに関してはこちら
の収納を兼ねたネットを取り付けることで解決しました。
スキマがないことそのものよりも「なんか邪魔」という印象を植え付けることで、興味が他に逸れることが肝心なのかもしれません。
「北風」でも「太陽」でもなく「そんなことよりホラ見て虹だよ!」と気を逸らすみたいな感じでしょうか。自閉症「スペクトラム」なだけに(^_^;)。試行錯誤の日が続きます。