【シリーズ・この人に聞く!第183回】ミュージシャン/タレント グローバーさん

――なんだかドラマが詰まっていますね。復学から卒業までうまくいきましたか?

「勉学の意欲が戻りました」とネクタイ締めて汗かきながら行ったら、「グローバー、それ嘘だろ。おまえ勉学の意欲なんて戻っていないだろう」と言われて(笑)。「はあ、実はそうなんです。気持ちの変化がありまして、これこれしかじか・・」と正直に話すと、「わかった。もう勉学の意欲が戻ったなんて言わなくていいから、今話したおまえの気持ちを文書にしてみなさい」と。4年以内なら復学は自動的にできても、8年も経っていたので教授会にかけて決議が必要になるらしくて。正直な気持ちを書いた作文を教授に提出して、教授が掛け合ってくれて「満場一致ではないけれど俺が責任を持つという話で大丈夫になったから、また大学で勉強がんばれよ」と。復学して専門課程の2年間、大学3年生からやり直しました。一回り下の同級生は、レポートを書くスピードも僕の10倍速くて、脳みそが全然違った。卒論もギリギリまで掛かって年下の同級生に伴走してもらい、なんとか仕上げました。卒業したのは32、3歳で、上の子が赤ちゃんでした。

――仕事をしながら子育てもありつつで濃厚な専門課程でしたね。今年も新年度が始まり、グローバーさんがこれから始めようとされていることを教えてください。

今はコロナ禍で美術館もなかなか思うように行けないから、子どもたちが綺麗な絵を観られるように自分でYouTubeチャンネルを作っています。絵は、見ているだけで元気になれます。一枚の絵をずっと3分くらい見せてくれるようなYouTubeはないので、これから立ち上げようと。文化や芸術って、いい力があります。あらゆる時代の人に力を与えてきたものはやはりすごいです。
人が集まるところに気軽に出かけられるようになるのは、しばらく難しい。まだ時間が掛かりそうです。前と同じようにではなく、この先は新しい時代。生態系は人間がコントロールできるような次元の話ではないから、今僕らが生きている世の中で何か楽しいものを創っていきたい。そういう僕らの姿を見て子どもは育つから、この先ちょっとずつでも、昨日より今日の方がちょっと良くなるように過ごしたいものです。

編集後記

――ありがとうございました!絵の好きな私としてはグローバーさんが画面越しに部屋に飾ってある一枚の絵に気づいてくださったのが驚きでした!観察力が素晴らしい。ほぼ毎日J-WAVEでグローバーさんの声を聴きながら暮らしている私にとって、こうして個人的なお話を伺えるのはリモートではありますが心底幸せでした。ミュージシャンとしてもご活躍を応援しています!

2021年3月リモートによる取材・文/マザール あべみちこ

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