自閉症の子は「”いつもと違うこと”を極端に嫌がる」という話をお聞きになったことがあるかも知れません。
予定が変わることを嫌がる、いつも同じ服を着たがる、いつも同じ道を通りたがる、同じものを食べ続ける…などなど、程度の違いも含めて人によっていろいろです。
そこで「いつもと違うこと」を強いたりするとパニックになってしまうこともあります。
しかしこういう特性を逆手にとって、例えば「時間どおりに行動できる」「同じことをコツコツと何時間でも続けられる」などの「強み」として、本人に苦痛を感じさせることなく社会との結びつきを創り出そうという取り組みがされています。
全国の子育てママから悲鳴が上がった2021年春
そんな「いつもと違うこと」に関して、小さいお子さんを持つ全国の家庭から驚きや悲しみの声が上がった出来事がありました。それは
「Eテレが朝の番組を改編した」
ことでした。子供たちが大好きな朝のEテレは
・子供には目覚まし&時計になる
・親にも時計代わりになる(この曲が聴こえたら急がなきゃ!など)
・子供が好きな番組の時はテレビの前から動かないので、親は他の支度ができる
・子供がそれほど好きではない番組なら、子供に朝食や支度を促すことができる
・大人が観ても楽しい
などのさまざまな機能・効能を持っています。
個人的には「デザインあ」や「ピタゴラスイッチ」が遅い時間へ移動して観られなくなってしまったことに関して「なにしやがる」ぐらいの気持ちさえありますが、親の声として代表的なのは「番組に合わせてパターン化していた朝のリズムが変わってしまう」ということでしょう。
障害の有無に関わらず、子供の朝の支度は大変ですもんね(^_^;)
最近の「推し」とむかしの記憶
ウチの娘は最重度の知的障害ということもあって「いつも」とか「いつもと違う」ことをどのように認識しているのかよくわかりませんが、親としてはいつも同じリズムで1日を始めたいということがあり、休みに入っても放課後等デイサービスへ向かうため学校の時と同じ時間に家を出るようにしています。
そんな中で迎えた2021年3月29日、Eテレ改編初日のようすはというと…
ちょっと記憶が定かではありませんが、6時半の時点で起きていなかったということは夜中に中途覚醒があって、そのあと2度寝したということでしょう。そんな、まだ寝ている娘がテレビの音に反応しました。
その番組は「オトッペ」。この日から新しく朝6時35分に移動してきたこの番組は娘がiPadでYouTubeをよく観ているもので、大好きな曲が目白押しなのです。
同じ番組でも「違う家のテレビ」「違う部屋のテレビ」「違うデバイス」で観るとうれしそうに拍手することが多い娘の琴線にはバッチリ触れてくれたようで、番組改編がこの日の娘には良い方向に働いてくれました。
そのあとわたしたち親が支度をしている間ベッドでうつらうつらしていた娘が次に反応したのは7時でした。「ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン」が始まったのです。
この番組は娘が保育園に行っている頃は朝夕2回放送していましたが、ここ何年かは夕方だけになっていたもの。
それが再び朝に復活した、とはいえ当時とは曲もメンバーも変わっているし、どんな反応をするのかな、と思っていたのですが…
今週は「変化の本番!」
これまでどおりに観られる番組も「0655」を除いてすべて時間が微妙に変わった朝の新プログラム。娘はそれらの番組の順番や時間の違いには反応せず、見事に「これまで観ていなかった番組にだけ反応した」のでした。
娘にとって引っかかりとなったのは「知ってる」だったのか「今までなかった」だったのか。それが両方が揃ったからか?しゃべれないので謎が増えただけですけど(*^-^*)。
そんな娘には、新学期からとても大きな変化が待っています。5年間たのしく通った沼津特別支援学校に代わって、新しくできた「伊豆の国特別支援学校へ通う」のです!そこではどんな反応を見せてくれるでしょうか?不安はありますが、期待はもっともっとしちゃいます!