自閉っ子と偏食

自閉症を含む発達障害を持つ人たちには「偏食」の傾向が多いことをご存知の方もいらっしゃると思います。

食パンしか食べないとか、白いご飯しか食べない(炊き込みご飯のように色がついていたり、ご飯におかずなどをのせるのが嫌だ)とか、いろいろ食べれるけど、ご飯はご飯、おかずはおかずというように「一品ずつ完食しないと食べられない」などなど、実に様々なタイプがいます。

見た目、食感、匂い、音などに対する独特の感じ方があったうえで、さらにその日その時の気分も影響するでしょう。

「そのうち腹が減ったら何か食べるだろう」と思うかも知れませんが、放っておくとそのまま本当に食べない子だっているそうです。「好き嫌い」とか「わがまま」のひと言で済ますことはできないものなのです。

障害に限らず、生きづらい人ぜんたいに言えることですが「その人にはその人なりの困りごとがある」。型にはめず、柔軟に対応していくことが大事だと思います。

うちの娘は何でも食べて食欲モリモリ

重度の知的障害を伴う自閉症であるうちの娘はどうかというと、比較的なんでも食べます。弾力のある食材や果物を食べないことと、その日の気分や「ブーム」によって他のものを断固として拒否することはあるものの、最近も着々と食べられるものが増えてきています。

保育園時代は何を出しても食べてくれず、朝は「かっぱえびせん」や「たまごボーロ」「たべっこどうぶつ」などを2口3口だけ食べた状態で送っていったものです。

ママが作ったお弁当が手付かずで戻ってきたり、園の給食もあんまり食べなかったあの日々を思い返すと、今のたくましい食欲が頼もしいです。

健康のため太りすぎないようにという注意は必要ですが、まずは「元気に食べる」ことをありがたく幸せに思います。

おダシ星人

娘はお菓子やインスタントラーメンも大好きなクセに、生意気にも「おダシ」への反応がとてもシビアです。

料理自慢の宿や、個室があるので娘が小さい頃から通っている馴染みの和食屋さん、お寿司屋さんで「おいしいダシ」のものを食べると、一瞬そのものを見つめて真剣な眼差しになったあと、拍手をします。

ママが作るにゅうめん(あたたかいそうめん)やラーメン(閉店したお店の方からダシの取り方を教わりました)も大好きな娘ですが、ママがダシの取り方を失敗して酸味やエグみが出てしまったりすると、席を立ってしまうこともあります。

ママはその度に「わたしは海原雄山の妻なの?」とベソをかきながら(^_^;)作り直すのです。

こちらは特に大好きな「けんちんにゅうめん」。寝ぐせでわかるとおり、朝ごはんです。

やっぱり香りがいいのかな

先日、スマホを機種変更した時に旧機種の下取り代金としてもらったPayPayが残っていたので、前々から欲しいと思っていた「鰹節削り器」の本格的なものを買いました。こちらです。

箱の向きが逆ですね…素材はけやきではなくひのきだったかな、忘れました。

それでもまだPayPayが残ったので、農林水産大臣賞に輝いたという焼津産の本枯節(ほんかれぶし)と、ママのために「やせるおだし」的な粉末も買いました。


鰹節削り器、むかしママの実家にはあってよく削っていたそうです。わたしの実家にはあったような、なかったような…なんて思い出しながらシュッコシュッコと鰹節を削り(まだヘタクソで時々ガガガってなります)、福島産コシヒカリにパラリとかけました。

醬油をひと回しして、ダシ好きの娘に「食べる?」と差し出してみると…

これいけるよおとうさん

ということでバクバク完食。

その後もわたしが刃の調整や練習を兼ねて鰹節を削っていると、ピッタリ横へマンマークについて、冷凍庫にあるごはんを出せとねだるのです。

結局この時を含めて「4食連続」でこの高級おかかごはんを食べた娘を見ながら「この先おそろしいわ」とつぶやくわたしとママなのでした。

発達障害を持つお子さんの偏食で苦労なさっている親御さんはたくさんいます。工夫しても工夫してもうまくいかないことだってたくさんあります。

でも、決して親御さんが至らないわけでもなく、本人のわがままでもないことを知っていただけたらと思います。

年の瀬に波を見つめて何を問う?と思ったら…
海が何か教えてくれたみたいですねw。次回(12/22)がことし最後の更新です。