【シリーズ・この人に聞く!第179回】弁護士 太田啓子さん

離婚問題で悩むことの根底には性差別構造があります。個人が自由に幸せを追求できるような社会のために、少しでも性差別を解消したい。現状、なかなかひとり親家庭への社会のありようは厳しく、たとえば離婚後の養育費支払いを確保することに関しても日本の法整備は遅れています。少しずつ前進はあるものの、なぜこんなことがなおざりにされていたのか?ということはまだたくさんあります。法整備のためには、当事者の代弁者としてこういう法整備に力を注げる議員、特に女性議員を国会に送り込むことも必要です。

――最後に、これからの男の子の教育を考える同士へメッセージをお願いします。

男の子を育てる責任感をひしひしと感じています。これからの社会を握っているのは今の男の子の育て方。性差別をしない男性、性差別と積極的に闘う男性が社会に増えれば、きっと社会は良くなるからです。今の社会に何が足りないのかを考えて、そういう結論に至りました。

同時代に子どもを育てる同期の皆さんに親しみを込めて、それぞれの持ち場でがんばっていきましょうと伝えたい。男の子にこそ旧来の「男らしさ」に囚われず、男性であるという特権を行使して、性差別や性暴力に積極的に抗ってほしい。どんなテーマでもいえることですが、自分がマジョリティ側に立っている問題でも、その時どきに自分ができる方法で、積極的に動くことができるような大人になってほしいと願っています。

編集後記

――ありがとうございました! 保育園児時代の我が息子は傘も差せず、まっすぐ歩くことが困難で、どうして男子ってこうなんだろう?と不思議なことばかり。今回、太田先生の鋭いご指摘になるほど!と参考になること多し。もう一度子育てをやり直せるとしたら国会中継を観て意見交換する、なんて経験を味わいたい。今からでも遅くはないでしょうか?(笑)この本の読書会もやってみたいです!これからも応援しています。

2020年11月リモートによる取材・文/マザール あべみちこ

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