シューズラックは語る

不器用な子が多い自閉っ子のなかにあって、さらにスペシャル級に不器用な娘でも靴を出し入れしやすい、ステキなシューズラックをいただきました。

あれからおよそ2カ月。娘は学校や放課後等デイサービスから戻ってくると、玄関へ入るやいなや靴を脱ぎ始めます。ひどい時はマンションのエレベーターで脱ごうとします。

靴はポロっと脱ぎ落とします。思い切り引っ張ることしか脱ぎ方を知らない靴下は引っ張った勢いのままポーン!と飛んでいきます。左右遠く離れ離れになっている靴下にはそのあといっさい目もくれません。

靴は左右があまりに遠いと何もやってくれませんので、わたしたち親がだいたい15~20cmぐらいの距離を「演出」させていただきます。

そこで左右の靴を指さして「あらー!これとこれ!しまって!」と促すと、左右の靴を面倒くさそうに右手一本で拾い上げ、シューズラックに置いてくれるようになりました。

万有引力にしたがって

シューズラックの最上段はその日に履いた靴1足分のスペースがありますので、基本的にその場所を目指して娘は靴を移動させますが、彼女に「そっと置く」という概念は存在せず「その辺に落とす」というスタイルになります。

きょうはその「置き方(落とし方)コレクション」をご覧ください。まずは上の写真のあとの結果をどうぞ。

最初の写真を振り返ると、ラックの右端が空きスペースで、その左に白い靴があったことがわかります。

娘は本来紺の靴を置くべき右端のスペースを狙ったはずなのですが、ただでさえ不器用なクセにものすごく雑な性格のため、白い靴の上に紺色の靴を乗せちゃったわけです。

こうしていったん置いてしまったら最後、わたしたちが「こっちに置きなおして」などと騒いだところで二度と振り向くことはありません。

「失敗は認めない主義」ですから、実に堂々たる様子でリビングへ歩みを進めます。頭は晩ごはんでいっぱいだもの。

続いて他の日の様子をダイジェストでご紹介していきましょう。

丁寧さゼロ

紺色の左右が反対。明日のことは明日ね
不揃いだろうが何だろうが「持ち上げた形のまま置く」からこうなる
上級生が練習していた組体操をイメージしたのでしょうか
たまには成功します
あたし前進してく
むしろ難しいんですよこうなるのは
中途半端で笑いも起こらん
左の縦棒にぶつかったらどうでもよくなっちゃった

夕方のこの時間は「1日がんばってきて一杯一杯」だったり、お腹も空いているので機嫌が悪い確率が高いです。

それでも脱いだ後の靴をわたしたちが指さして「しまって!」と繰り返すうち、なんとなく「ごはんの前のひと仕事」という認識ができてきたのでしょうか、ほとんどサボることなく靴をしまってくれます。

ただし空腹が限界に近づいてしまうと、思いもよらない結果を招くことがあります。

何を思ったのか、手に取ったのは靴ではなくいつもは見向きもしない靴下。これをいつもよりさらに乱暴にラックに投げた結果すき間から落ちてしまったのがこちらの写真です。そうとう焦ってますね、靴下を食べないだけ良かったです(^^♪

まだしゃべれない娘の行動にはいろんな(おもしろ)メッセージが詰まっているような気がするのです。シューズラックのおかげで楽しみがひとつ増えました(*^-^*)。しばらくしたら続報をお知らせします。