ワー、キャー、ワー…
子どもたちの歓声が混ざり合って聞こえてくる。遊園地の近くで聞こえる、まるでうずまくような独特のあの音そのもの。4月27日にオープンしたアバッセたかた。すぐ近くの高台、本丸公園にもその音は響き渡っていた。
本丸公園は、新しい市街地の建設工事の進捗を見つめる定点観測に最適の場所。これまで何度も登ってきたこの場所で、子どもたちの歓声を耳にしていると胸に迫るものがある。
子どもがいるということは、それだけで明るい気持ちにしてもらえる。高田の町にこんなに子どもがいたんだという小さな驚きよりもはるかに大きなよろこび。この町の未来を明るくしてくれる歓声。
本丸公園の上から眺めていると、造成現場を通ってまちなか広場へ歩いていく子どもたちのグループの姿があった。小学校の高学年くらいか。高田小学校の方から歩いてきて、アバッセの前の道路で立ち止まる。大町線と呼ばれるこの道は、いまや陸前高田のメインストリート。といっても震災前のように店舗が立ち並んでいるわけではないが、通行量が多いという意味でのメインストリート。
子どもたちがちょっと危なっかしそうに横断していく。左右を見て突っ走る子、渡るのを躊躇する子、横断歩道もないから、上から見ていてちょっと心配になってしまう。本丸公園を下りてまちなか広場の近くまで行くと、歩道はまだできていない。砂利に液状のアスファルト(瀝青)を撒いただけで、靴の中に砂利が入り込む。そんな場所だけど、まちなか広場の遊具には子どもたち、そして大人たちの笑顔と歓声。
アバッセたかたは高田の町の新しい中心。そして、まちなか広場は子どもたちの遊びの中心地。だけど周辺の環境はまだ整っているとはいえない。
まだまだこれから。でも前を向いてこう言い換えよう。さあ、これからだ!