台風10号で大きな被害を受けた岩泉町では、ボランティアセンターを年度末で終了したが、4月からは体制を再編して、土日を中心に活動を再開している。
ボランティアセンターのFacebookを見ると、ニーズは家屋からの泥出しが中心のように見受けられる。ところが水害被災地でのボランティア=泥出しばかりではない。岩泉町でボランティアのとりまとめを行っている人の話では、家財出しなどニーズが多様になっていくことが予想されるということだった。
家財出しとは、被災して使えなくなった家具や家電などを家屋から出すこと。岩泉町では家の外に出された家財は町が回収してくれることになっているが、高齢の方などの中には家具を外に出すことが困難な人もいる。
水害の被害で使えなくなった物であっても、ひとつひとつの品物には使ってきた人たちの思い出がこもっている。全部まとめて外に出せばいいというものではない。ただの物ではないのだ。「出して」とお願いした後になって、「やっぱりちょっと待って」ということもあるかもしれない。肉体を使った活動であると同時に、寄り添う気持ちが求められる。
昨年末に仮設住宅は全戸完成し引っ越しが進んだが、仮設住宅に入居しない被災者も多いという。建物の1階は被害を受けたけれど、2階は寝泊まりくらいできるという人たちの中には、自宅を離れがたい人も多いそうだ。
仮設住宅に入居した人の多くは、家を失ったか、戻れる状況にない人が多い。被災状況は重たいが、仮設団地にまとまって生活していることから支援も届きやすい。対して、被災した自宅で生活を続ける在宅の人たちは、状況が把握しにくいため支援が届きにくい。また、被災した住民が集まれるような場所もない。
社会福祉協議会の駐車場には、中でお茶っこできるマイクロバスが駐っていた。住民が集まれる集会所のような場所のない地域で、すでに活動が始まっているという。
5月連休も活動を行う予定です。ボランティアだけでなく、観光でもぜひ岩泉にお越しください。
岩泉町のボランティアセンターでは、このゴールデンウィークのボランティアを募集している。床下の泥出しのようなハードな作業は、この連休の間にある程度片付けてしまいたい考えであるようだ。腕に覚えあるの皆さん、ぜひご参加を!
あわせて、泥出しが終われば支援は無用ということではないということをぜひ知ってほしい。
※ ゴールデンウィークは対象外だが、岩泉でボランティア活動に参加した人は龍泉洞の入場が無料になるそうなので、連休明けもぜひ支援をお願いします。