相馬野馬追で有名な福島県相馬市。国道6号線沿いの道の駅そうまには、東日本大震災の被災物を含む資料が展示された震災伝承コーナーがある。
入口を入ってまず圧倒されるのがこれ。ぱっと見ただけでは何なのかよく分からないが、とにかくデカい。
キャプションに「伸縮継手」とあるのを見てようやくこの代物が何であるのか、なぜこの場所に展示されているのかが分かった。
継手とは橋梁などの構造物と地面側の道路をつなぐもの。多少のずれが生じてもそれを吸収するように伸縮できる構造になっていたのだが、東日本大震災の激しい振動によって、鋼鉄製の継手までもが、かくも変形・ずれてしまった。
津波によって流されぐちゃぐちゃにされた道路案内標識は、展示されている実物を見てもすべてを読み取ることが困難だ。辛うじて、「松川浦ソフトボール競技場」と記されているように読んだものの、はたして正解かどうか。
福島県浜通の北に位置する相馬市は、東京よりも仙台の方が近い。同じ浜通のいわき市が東京や茨城と近しいのと違い、震災以前から「ちょっとお買い物に仙台に行ってくる」というような土地柄だったらしい。そのせいかどうか、宮城県南部、山元町で被災した小学校の震災遺物もここ道の駅そうまに展示されていた。
展示された遺物が、遺物ではなかった頃に存在した場所、中浜小学校の現状については別稿でお伝えする。
道の駅そうまの震災伝承コーナーは、現物の展示だけでなく、パネルによる解説やビデオ展示も充実している。福島に行った際にはぜひとも、少々の無理をしてでも訪れたい施設だ。
道の駅そうま
福島県相馬市日下石字金谷77-1