2016年(平成28年)4月14日21時26分、熊本県熊本地方を震源に発生した「平成28年熊本地震」。15日午前の情報をまとめてお伝え。
最大震度は熊本県益城町の「震度7」、熊本市を中心とするエリアで震度5から震度6弱を記録し、住宅などに大きな被害が出ている。
この地震で9人が死亡、1,000人余りがけがをしていると報告されている。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災され生活を奪われた多くの方々にお見舞いを申し上げます。
被害状況
地震発生から一夜明け、被害状況が明らかになってきた。ニュース映像によると1階部分が潰れるように倒壊した住宅が少なくないようだ。瓦が落下している家屋も多い。
危険なのは余震だ。たとえ小さな余震でも、弱った建物が崩壊する恐れがある。
九州地方は台風に備えるため、重たい瓦を使って屋根を重たくつくっている家が多い。今後の余震でさらに瓦の落下や建物の倒壊も考えられるため十分注意してほしい。
熊本市内ではマンションの棟と棟をつなぐ廊下に大きな亀裂が入った様子が伝えられている。被害が大きくなったのには震源が浅かった影響もあるかもしれない。
余震には要注意
国の特別史跡・熊本城でも多くの瓦が落下し、無惨な姿をさらしている。
さらに石垣が大量に崩壊している。
瓦や建物がさらに崩壊する恐れは熊本城に限らず、多くの建物に共通して言える。阪神淡路大震災の地震よりも余震の数が多いと言われる今回の地震。本震等で傾いたり損傷を受けた建物やブロック塀などは、余震などの刺激で簡単に崩壊するため、被災地での活動は慎重に行うようにと気象庁、NHKなどは呼びかけている。
行政等の対応
熊本県庁を写しだしたニュース映像には、各地から上がってくる被害状況をホワイトボードに書き出す様子が映し出された。
15日朝7時には自衛隊が被災地に入ったとの情報が上がった。テレビ映像でも自衛隊が給水や炊き出しに出動し、白米を炊いて住民に配布する様子が映しだされてている。NHKニュースの情報によると自衛隊が炊き出しした白米は約700人分。炊事車が乗り付けた避難所以外にも配られるという。
避難所となっている場所では食料や飲料水に加え、トイレも不足しているという。
朝9:00の時点で20基ほどの仮設トイレが搬入・設置される様子もニュース映像で伝えられた。
蒲島郁夫熊本県知事は政府とのテレビ会議で、激甚災害の認定を安倍総理に要請した。
地震直後の被害情報は熊本市のものが中心で、被害の大きかった益城町からの情報は少ないとされていた。15日午前にはテレビクルーなども益城町に入っていることから、情報は集約されつつあると考えられる。
天皇陛下は蒲島郁夫熊本県知事にお見舞いの言葉を述べられ、15日に予定されていた静岡県行きを中止、少なくとも1日は御所で事態の推移を見守られる方針と伝えられている。
安倍総理は明日16日、熊本を訪問する方針。17:20、NHKが伝えた。
ボランティア
15日正午現在、ボランティアセンターは立ち上げられていない。現在は、崩壊の危険がある建物でのレスキュー活動等は専門家の手に委ねられることになるが、ボランティアの手が求められる分野はレスキューや片付けだけではない。
緊急支援活動を行う団体も現地を目指している。災害緊急援助活動のノウハウを有するNPOも、15日未明から被災地に向け出発している。御船町カルチャーセンターには未明には約400人が避難しているのに備蓄ゼロという情報もある。他の地域にも多く方が避難していると考えられる。物資の配達や避難している人へのケア、避難所内の環境整備、安否情報の伝達などやるべきことは多い。
NHKの15日11時の調べによると、18の市町村でおよそ16,000人が避難しているとのこと。
また、「紙おむつや粉ミルクが足りない」といったSNSを受けて、益城町の避難所には個人の方々から救援物資が届けられ始めたという。救援物資の受け入れ窓口も15日午後には開設されたという。
NHKのニュース映像によると、飲料水やパンなどの救援物資がすでに積み上げられている状況だ。今後、全国からの支援物資が届き始めると、仕分けや配送などが大変になりそうだ。
15時20分、NHKニュースが伝えるところによると、食料が不足しているため、救援用の食料の分配が制限されているという。