銀河鉄道に乗って東北の三陸へ☆

岩手県・釜石市を訪れた時のこと。夜、歩いていると、素敵なネオンを見つけました。目にした瞬間にぐっと心を掴まれ、思わず吸い寄せられるように近づいたこのメルヘンチックなネオン、JR釜石駅の入口にあったものです。

なぜ、このような素敵な電飾があるのか?

ご存知の方も多いかもしれませんが、釜石駅と花巻駅を結ぶ釜石線は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のモデルになったと言われているからです。

今日は今年の1月末に乗ったJR釜石線をご紹介します♪

釜石線には新花巻駅から乗りました。駅には銀河鉄道にちなんだものがあります。たとえば駅名が書かれたこの看板。背景に星座などの夜空が描かれているのです。

また、釜石線の駅にはそれぞれエスペラント語で愛称がつけられています。エスペラント語とは言葉の異なる人々の間で、意思の伝達をするために人工的に作られた言語です。宮沢賢治が作品のなかでよく使っていたことから、本来の名称以外にも駅ごとに「星座」、「虹」、「月夜」といった別名がつけられているとのことです。

釜石線はローカル線の魅力があふれる単線の路線です。そのため、すれ違いは駅で対向列車を待ちます。釜石線の前は新幹線に乗っていたのですが、地方線ならではの時間の流れ方に心が安らぎました。

実は、釜石線に乗るまで同路線が「銀河鉄道の夜」のモデルになったことを知りませんでした。さらに恥ずかしながら、この有名な物語も読んだことはありませんでした。

しかし、それでも釜石線に乗車すると、駅の看板や壁、さらには設置されている自販機に描かれた夜空などから物語の世界のイメージを膨らませることができるのです(※妄想と言った方がいい、勝手なイメージではありましたが)。

また、想像力を掻き立てられるのは駅だけではありませんでした。車窓からの風景も素敵なのです。

私が乗車した時は美しい銀世界が広がっていました。列車の旅を感じさせるボックス席に座って窓の外を見ていると、幼いころに読んだ童話の世界に感じられた暖かい気持ちに包まれます。

本格的な雪景色を見たのは久しぶりのことで、見るもの全てが新鮮で美しく感じられたのですが、なかでも最も幻想的だったのはすっと伸びる線路とそこに積もった雪でした。

汽車が走るとその後には風ができ、細かい雪が巻き上げられます。そこに夕日があたった時の輝きは息を呑むような美しさです。

新花巻駅から釜石駅までおよそ2時間の列車の旅。鉄道ならではの情緒を感じることができました。

乗る前は、新幹線が通っていない三陸へ行くことに少々不便さも感じていたのですが、いざ乗車してみると釜石線のとりこです。

銀世界の次は、緑の中や星降る夜に乗ってみたいと思いました。三陸地方への旅行を考えていらっしゃる方、銀河鉄道に乗って行かれてみてはいかがですか?♪

釜石駅

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