【世界一周の旅・アフリカ編 Vol.24】野生の王国・ケニアでサファリツアー!

ケニアと言えば野生動物たちの王国です。いくつもの国立公園が点在し、そこに多くの生き物たちが暮らしています。なかでも最も多くの人が訪れるのがマサイマラ国立保護区です。ライオン、象、キリン、チーターといった旅行者に大人気の動物が生息しています。

保護区はタンザニアとの国境付近にあり、広さは大阪府ほどと言われています。「ヌーの川渡り」で有名なセレンゲティという国立公園がタンザニアにあるのですが、2つは隣接しています。違いは人間が引いた国境を隔てて名称が異なっているだけです。

マサイマラ国立保護区の動物たち

タンザニアからケニアに入国して首都のナイロビに到着すると、最初にイエメン行きの航空券を取りました。そして次にサファリツアーに申し込んで向かったのが、マサイマラ国立保護区です。

サファリツアーは改造した大型のSUV車に乗って見て回ります。通常の車との大きな違いはなんといっても天井がないこと。オープンカーのような造りになっており、立つと屋根から上半身を出して周囲を見ることができるのです。

動物を観察する際のルールとして、絶対に車から降りてはいけないことになっているのですが、この開放的なサファリ仕様車は車外から見ているのに近い距離感があります。最初はいきなりライオンが跳びかかってきたらどうしようと心配したほどです。

アフリカの野生動物と聞いてまず思い浮かぶのは、なんと言っても百獣の王・ライオンです。

サファリツアーに参加するまで、シマウマなどを見つけたライオンは、ほぼ間違いなく獲物を追いかけるものだと思っていました。しかし実際は、見える場所に草食動物がいても狙おうとしないのです。意外な姿でした。

なんでもこれは、獲物の方が足が早いために確実に仕留められる近距離でないと全力疾走しないそうです。実は堅実な性格の持ち主のようです。

言わずと知れた陸上動物最速のスプリンター、チーターです。そのトップスピードはなんと時速約100キロにもなると言います。

ただ、この速さを維持できる時間は短く、わずか数十秒程度なのだとか。やはりライオンと同様、そう滅多に狩りをしようとはしません。

サファリツアーではライオンなど肉食動物を目にする機会がありましたが、狩りを見ることができたのはわずか1、2度程度でした。

昔、アフリカでハンティングが盛んに行なわれていた頃、大きく、そして危険な5つの動物を「ビックファイブ」と呼んでいました。具体的にはゾウ、ライオン、サイ、ヒョウ、そして写真のバッファローです。

画像ではわかりづらいかもしれませんが、大きな体のバッファローが数十頭で群れているとかなりの迫力です。

「マサイマラ」という名は先住民の「マサイ」族とそこを流れる「マラ」川に由来すると言われています。ツアーではタンザニアとの国境近くまで行ったのですが、その際にマラ川に生息するカバを見ることができました。

ちなみに毎年7月頃になると、草を求めて移動するヌーの大群がこの川を渡ります。その数はなんと150万頭以上。とても壮観な光景で観光客に大人気です。

多くの動物は、大型のSUV車から見た場合に目線は下の方へといきます。しかし、キリンは別。距離にもよりますが目線はどちらかと言うと上方向になります。

この長い首を活かして、木の葉を食べているものもいました。

サファリツアーで遭遇した生き物の多くは日本の動物園でも見ることができます。しかし、実際に現地で見ると印象がかなり異なります。なかでもキリンは広大なアフリカの大地が最も似合う動物のひとつでした。

最後にご紹介するのは象です。アフリカで会えるのを楽しみにしていた動物です。巨大な象はまるでアフリカに棲む動物たちのヌシような存在。威厳に満ち溢れていました。

おっとりとしたイメージを持っていた象ですが、実は怒らせると危険な動物でもあります。なんと言っても高さ4メートル、体重6トンもある陸上における最大の動物です。頑丈なSUV車に乗っていたとしても、踏まれたり長い鼻で叩かれたらひとたまりもありません。そのためツアーガイドたちが最も恐れている動物でもあります。

一度、ツアー車がかなり近くまで接近した――上の写真――のですが、小さく威嚇され、慌てて後退しました。

私が訪れた時、マサイマラ国立保護区では種類、数ともにたくさんの動物を見ることができました。動物園ではオリに入っている生き物を人間が見学する形になりますが、サファリツアーは完全に逆。人間が自動車から動物たちのご機嫌を伺いながら見学させてもらいます。その迫力は想像以上でした。

マサイマラ国立保護区

前回の話