引き渡しが始まる造成地の空気に満ちるもの【いわき市久之浜】

拡幅されて広がった道が、まっすぐに伸びている。5年前には津浪の被害を受けた住宅が並ぶ道だった。やがて撤去前の建物にガレ花と呼ばれるペイントがほどこされ、ガレ花の道になった道。その道が生まれ変わろうとしている。

あとは舗装するだけで道路は完成する。道路とともに町並みの区画ももう完成間近だ。町の人が言っていた。「3月の後半にはもう引き渡しが始まるから大忙しなんだよ」

防潮堤の内側の堤のような盛土には、松やドングリの木の植樹が進められている。つい先日も小学生たちが植樹したニュースが地元で伝えられていた。

広いひろい土地。ただただ広い土地。

かつてここに町があったことをつい忘れてしまうほど、まっ平らな土地が広がっているのが現在の久之浜だ。4月には新しい造成地での建設許可も下りるようになる見込み。静かな活気が取り戻されつつある。

津波の直撃を受けても壊されなかった稲荷神社。海からは50メートルも離れていない。

災害に負けない気持ちの象徴だった奇跡の神社のまわりに、新しい町がつくらていく。

(内容を追加して更新します)