メルヘンチックな歴史的建築物、旧済生館本館♪

1月末から2月上旬にかけて3泊4日で行ってきた東北旅行。その最後は山形市でした。東京行きの新幹線の出発まで時間があったので、山形駅の近くをちょっと観光することにしました。

最初は待ち時間の有効活用程度にしか考えていなかったのですが、付近を散策してびっくり。駅から歩いて行ける距離に見応えのある観光スポットがあったのです。しかも無料で。

それは「旧済生館本館」。現在は「山形市郷土館」として歴史的な資料等を展示している建物で、山形駅から歩いて10分ほどの場所にあります。

旧済生館本館は国の重要文化財に指定されている貴重な建築物で、もとは山形県立病院として造られました。山形県のWEBサイトにその歴史が記載されているのでご紹介します。

済生館は、1878年(明治11)に山形県立病院として建設されたもので、当時の山形県令三島通庸の「山形の近代化を図る」という構想のもとに竣工した。「済生館」の名前は当時の太政大臣・三条実美の命名による。東北地方で最も早く西洋医学を取り入れ、診療の他に医学校が併設され、オーストリア人医師ローレツを金沢医学校から招聘した。経営の問題から1888年(明治21)には民営となり、その後1904年(明治37)4月には山形市立病院済生館となった。

引用元:旧済生館本館 — 山形県ホームページ

現在は、霞城(かじょう)公園内にありますが、建てられた当時は今ある場所から東へ歩いて10分程度の七日町にあったといいます。老朽化で取り壊しの危機に陥ったものの、貴重な擬洋風の建築物であったことから保存が決まり、1967年から始まった移築復元工事によって今の場所に移されたそうです。

旧済生館本館はとても興味を引く建物です。擬洋風建築という名が示す通り、西洋風に見えながらもどこか日本建築の趣も感じるのです。まるで童話の絵本の中に登場しそうな外観をしており、見た瞬間にぐっと惹きつけられました。

塔のような正面建物の裏側には円形の回廊があります。通路の内側は中庭になっており、私が訪れた時は雪が積もっていました。山形県公式WEBサイトに掲載されている写真を見ると風情を感じせる日本庭園となっています。

現在は山形市郷土館として、明治の頃の西洋医学資料などが展示されています。時間の関係で、展示物をほとんど見ることできなかったのがとても残念です。

外観も奇抜ですが、中もほかでは見られないような珍しい造りになっています。個人的に興味を惹かれたもののひとつが階段です。

よくある直線的なものではなく、螺旋階段や写真のような不規則な形をしているのです。建物の外も内も全てが芸術作品のようです。

今回は駆け足で見学をしたのですが、もっとじっくりと見てみたい建物です。次、山形市に来る際には必ず時間をとってもう一度、訪れてみたいと思います。

駅から歩いてわずか10分のところにある国指定の重要文化財。同市を訪れたならば、せひ見ておきたい場所です。

旧済生館本館

参考WEBサイト