映画「朝日のあたる家」予告編 NO1
出演/並樹史朗、斉藤とも子、平沢いずみ、橋本わかな、藤波心、いしだ壱成、山本太郎。監督は「ストロベリーフィールズ」「青い青い空」の太田隆文。
太田隆文監督は『製作日記』で「残念ながらDVDにはなりません」と明言していた。しかもそれは2013年6月の完成披露上映会の前の段階でのこと。監督はこの映画をつくるに当たり、原発を描く映画を撮影することの困難を誰よりも強く肌身にしみて感じていた。しかし――
監督自身の予想すら裏切り、ついにDVD化が決定!
DVD化は不可能だと何度も繰り返し聞いてきたので、監督自身がFBで発表したのには本当にびっくりした。どうして監督が不可能と判断していたのかというと……
今回の映画の題材は「原発事故」
非常に問題がある題材、通常の映画会社は絶対に映画化しないもの。
原発に関わる人、企業から見ると、
原発の悲劇を描くことは好ましくない。
早く再稼働ができるように、もう福島のことは忘れてほしい。
それらが彼らの本音。
そんな企業と関わりのあるメーカーは当然、DVD化を依頼しては来ない。
以前、RCサクセションが反原発ソングを作ったときも
レコード会社は発売を中止した。先日の東京新聞に記事があったが、
当時の担当者は親会社に気遣い、自主的に発売を中止したという。
劇中の政府の会見・発表のタイミングや内容は実際の原発事故をトレースすることでリアルさを追求した。東京電力の元協力会社社員として、また地元双葉町の住民として原発事故を体験した佐藤大さんに監修を依頼した。住民に対する線量測定やフォールアウト、そして鼻血など、現地で実際にあったことを映像化している。
映画監督の先輩たちからは「二度と商業映画を撮れなくなるぞ!」とまで言われたという。もちろん企業スポンサーはつかなかった。完成後も上映が実現できたのは理解を示してくれた一部のシネコンと地方の独立系の映画館がほとんどだった。作品そのものの評価は非常に高かったにも関わらず、映画界のメインストリームからは完全にスポイルされていたと言っていい。
そんな「朝日のあたる家」がDVD化され、より多くの人たちに観てもらえることになるのは喜ばしい限りだ。
映画「朝日のあたる家」予告編ーロングバージョン
2015/01/14 に公開
2013年に日本各地の映画館、シネコンで公開。タブーと言われた原発事故を描き、話題となった映画「朝日のあたる家」の長尺版予告編。各地でヒット。7ヶ月に渡るロングランとなった。海外でも上映、アメリカ、シンガポール、ドイツ、ニュージーランド、インドネシア、カナダでも上映。
『太田隆文監督の「朝日のあたる家」製作日記』からもう1カ所引用する。
でも、福島には今も苦しむ人たちがいる
「原発事故は収束した」と思う人が増えている実状を考え
もう一度、皆で福島を考えるきっかけとして、この映画を作った。
問題があるから触れないでおこう・・・ではなく、みんなで考えること。大切だ。
原発だけでなく、故郷、家族の絆を描いた作品でもある。
ひとりでも多くの方に是非ご覧頂きたい。