【世界一周の旅・南米編 Vol.8】アマゾン川でピラニアを釣る♪

南米大陸の北部にうっそうと生い茂るジャングル。アマゾン川はその密林の中を流れる世界第2位の大河です。全長は約6,500km。流域面積においてはダントツ世界ナンバー1です。地球上に存在する河川の全流量のうち、約16パーセントをアマゾン川が占めているというから驚きです。

ベネズエラを後にした私は、アマゾン川の中流域にあるブラジルの街、マナウスを訪れました。

マナウスはブラジルのアマゾン地域における最大の都市で人口はおよそ180万人。街の目の前を流れるアマゾン川は河口から約1500キロの場所であるにも関わらず、幅が広い所で7km以上もあり、まるで海のようです。

街は17世紀、ポルトガルによって要塞が築かれて以降発展をし、19世紀末から20世紀の初めにかけてゴムの産出地として絶頂期を迎えたといいます。その後、東南アジアで大量のゴムが生産されるようになると衰退してしまったものの、20世紀後半、各種の産業振興策により再び発展しています。

マナウスと言えば、もちろんジャングルツアー!

2つの川の合流地点

マナウスを訪れた目当てはもちろん、アマゾン川とジャングルです。街に着くと早速、3泊4日のジャングルツアーに申し込みました。

ツアーはまず最初にマナウスの人気観光スポット、ソリモンエス川とネグロ川の合流地点へ船で向かいます。

ネグロとはスペイン語で黒を意味しており、その名の通り川の水は黒褐色です。この色は堆積した木の葉から出たタンニンの影響などによると言われています。一方、ソリモンエス川の水は薄い茶色です。

2つの川は流速や水温が異なるために、時に十数キロもの距離を混ざり合うことなく並行して流れます。その色のコントラストはまるで川を真っ二つに割ったようで、世にも不思議な光景を目にすることができるのです。

ちなみにアマゾン川という名称は、厳密に言うとこの2つの川が交わった以降の下流部につけられた名前です。

合流地点の見学を終えるとボートは上流へ向かいます。そして、しばらく川を遡った所で小さな支流に入ると、川岸に浮かべられたフローティングロッジに着けられます。

フローティングロッジは水に浮かぶ家屋で、大きなイカダの上にほぼ屋根だけの小屋が建てられたものです。小屋にはベッドの代わりにハンモックが吊るされており、ここで寝泊りをします。ツアーはこのロッジを拠点にして、様々なアクティビティを楽しむのです。

アクティビティは川でボートを漕いだり、泳いだりするなど様々ですが、なかでも印象深かったものが2つあります。

1つ目はジャングルトレッキングです。トレッキングは、うっそうとした熱帯林の中をガイドと共に歩くのですが、あるとき突然、彼が私達の歩みを制止しました。

そして、近くにあった高さ1メートルほどの植物を地面から引き抜いたかと思うと、先端の葉っぱだけを残して全て枝葉をそぎ落とし、奇妙な道具を造ったのです。

いったい何をするのだろうと思っていると、「こぶし大」ほどの大きさだったでしょうか。地面に空いた穴にその奇妙な道具を突っ込み、小刻みに揺らしながらゆっくりと引き抜いたのです。すると、先端についた葉を追いかけるように一匹の巨大なタランチュラが出てきたのです!

ほんの一瞬の出来事でしたが、目にした瞬間、びっくり仰天です。これまでに見たこともない大きさでした。巨大クモは地上に姿を現すとすぐに巣穴に隠れてしまったのですが、衝撃的でした。

そして、もうひとつはアマゾン川でのフィッシング。狙うのは獰猛なことで知られるあの「ピラニア」です。

ピラニア釣りは、フローティングロッジが浮かぶ支流をさらに少し上ったポイントへボートで移動して開始されました。

道具は2メートルほどの手作りの竹竿にラインと針がつけられただけのシンプルなもの。針に魚の切り身をつけて川面に垂らします。しばらくなんのあたりもなかったのですが、20、30分ほどたった頃でしょうか。グッグッと引きがあり、竿を上げると小さなピラニアがかかっているではありませんか!

子供の頃、近くの海へよく釣りに行っていろいろな魚を釣ってきましたが、ピラニアは人生初の経験。興奮しました。

生い茂る熱帯林の中を流れるアマゾン川。実は上流域に未確認の支流が存在し、本当は世界で一番長い川ではないかとも噂されています。未知なる世界がまだまだ残されている南米の大河とその流域に生い茂る密林での体験は、日本では得られない貴重なものでした☆

<「【世界一周の旅・南米編 Vol.9】どこまでも白く、まっ平らなウユニ塩湖♪」 へ続く>

マナウス

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