【国際防災の日】防災に対するわずかな投資が、大きな被害を防止することもあります

今日、10月13日は国際防災の日です。災害の予防、被害減少を目指し、国際連合によって定められました。

2014年までの10年間、災害によって全世界で70万人以上の方が亡くなり、約2,300万人が住む家を失い、15億人以上の人が影響を受けたといいます。経済的な損失についても1兆3千億ドル以上にのぼります。

国際防災の日である今日、災害による被害を軽減するための備えについて、ご紹介したい思います。

被害を軽減するための備えについて

災害発生時に被害を軽減するものとして、地震で家具が転倒しないようにするための器具などが知られていますが、それ以外にも大きな被害を防ぐことにつながる事前の備えとして次のようなものがあります。

○ブレーカー自動遮断装置
大きな地震の際に発生する火災の多くは電気に起因していると言われています。

例えば、出火原因が確認されたものだけの数字ですが、内閣府の「防災情報のページ」によると、東日本大震災で約65%(※110件中、71件)、阪神・淡路大震災で約61%(139件中、85件)が、ヒーターなどの転倒、落下や配線、電化製品のコードの破損等、電気が火元となって火災が発生しています。

これらの火災を防ぐのに有効とされているのが、ブレーカーを自動で遮断する装置です。ブレーカー自動遮断装置は分電盤に内蔵されているものもありますが、無い場合は後から分電盤やコンセントに取りつけることもできます。

その他にも、重りとなるボールにつけられた細いヒモをブレーカーのスイッチに取り付けておき、ある一定以上の大きさの揺れがあるとボールが落下することによって、ブレーカーのスイッチを切るという簡易的なものあります。

この簡易ブレーカー自動遮断装置は仕組みがシンプルなために故障が少なく(※ただし、設置する際にボールが落ちて遮断されることの確認を)、電気の知識がなくても簡単に設置することができます。さらに費用もおよそ2,000~4,000円程度と費用対効果が大きい備えだと思います。

※ちなみにガスについては、大きな地震が発生した際には自動で遮断されるタイプのものが多いようです。ただし、その場合においても避難する際にはガスの元栓のほか、ガスメーターの近くにあるメーターガス栓やLPガスのボンベの口付近にあるバルブを閉めるようにします。

○投げる消火器
よく見かける一般的な鉄製の容器の「ABC粉末消火器」以外にも、消火剤が入った容器を火元に投げるだけの消火器もあります。「ABC粉末消火器」を推奨する意見もあるようですが、投げる消火器の扱い易さによるメリットは大きいと思います。

小さなお子さんやお年寄りがいるご家庭では、簡単に初期消火の効果が期待できる投げるタイプの消火器があると安心です。

○住宅の耐震診断と補強について
1981年(昭和56年)以前に建てられた住宅等においては、古い耐震基準で建てられているため、大きな地震が発生した際には倒壊の恐れもあります。そのため、耐震診断を受けて必要に応じて耐震補強をすることが推奨されています。

耐震補強は上の2つに比べて費用がかかるものの、診断や補強工事に対して補助金を交付している自治体も少なくないので、古い耐震基準で建てられている住宅については、巨大地震発生前に一度耐震診断を受けておくといいかもしれません。

防災に対する事前の投資は、災害後の対応・復旧よりも費用対効果が高い

命が一番大切であることは言うまでもありませんが、災害により持家などを失ってしまった場合には多大な苦労が残ります。そのようなリスクを少しでも減らすための防災対策についても、この機会に検討されてみてはいかがでしょうか。

災害が発生する前に防災及び減災のために行う投資は費用対効果が高く、対策を施さずに被災した場合の復旧にかかる費用よりも安く済むと言われています。

ブレーカー自動遮断装置や投げる消火器など、わずかな投資がもしもの時に役に立つかもしれません。その他にもさまざまな対策があると思います。定期的に防災対策を見直して、災害に備えることが大切です。

参考WEBサイト

紹介:sKenji