お囃子は町によって違っていて、山車がすれ違うときにはお互いに負けじと精魂を込めて太鼓と笛を打ち鳴らすのです。
大石の山車に掲げられたメッセージは、太鼓や笛と同じくらいに響きますよ。
うごく七夕昼の部は子供たちの囃子。夜の部は大人の祭り、のはずが、この宵の祭りでは前半は子供たちがお囃子を担当。折り返し点までの間、天まで届けと内鳴らし続けていました。圧巻だったのは、折り返し点が近づくにつれて、これでもか、まだまだだとさらに子供たちの囃子の音色が際立っていったこと。声が枯れるほどに叫ぶ声が、宵闇のあの町に吸い込まれていきます。
よいやさぁ
せいやさぁ
よいよいよいよい
はっは はっは
「コンビナート」と呼ばれる巨大ベルトコンベアは、すでに解体のスケジュールも決定したそうです。町はどんどん変わっていきます。来年のうごく七夕はきっと、造成されて、14メートルも高くなった新しい町を行くことになるのでしょう。
そして、変化していく町とともに、1年、また1年と年を経て、その年ごとに新しい飾り付けに彩られ、やがて子供囃しの担い手だった少年たちが、いつかは夜の祭りの主役になっていく。そうして陸前高田の魂は、必ず受け渡されていくのです。
この町の姿を目に焼き付けた人たちによって。
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