2015年の「石巻・川開き祭り」の翌朝(あの日から数えて1,606日目)、門脇・南浜地区の海岸線沿い、雲雀野町の浜辺にには砂地に巨大な鋼管が並んでいた。
鋼管は砂に垂直に埋められて、互いにジョイントで繋がれているのだけれど、真横から見るとモアイ像が並んで海を見つめているように見えなくもない。
でも今回注目してほしいのは、モアイ像の足下、小さく見える防波堤のようなもの。
モアイ像のような鋼管と同様に半分砂に埋もれているが、絵が描かれた防波堤だった。
防波堤の壁画の端まで行くと、こんな表示。「合併記念」とある。
現在の石巻市は、今から10年前の2005年、旧石巻市と桃生町、河南町、河北町、北上町、雄勝町、牡鹿町の1市6町の広域合併で誕生した。その合併を祝して、各自治体の子供たちが、南浜地区雲雀野の防波堤に描いたのが「石巻港壁画大作戦」ということらしい。しかし、その壁画も海岸防潮堤の新設によって、姿を見られなくなりそうだ。
モアイ像のように海に向かって並ぶのは、防潮堤の一部となる鋼管による止水壁。おそらく福島の原発護岸に使われたのと同じ工法によるものと思われる。
壁画大作戦から10年経って、今進められているのは防潮堤大作戦。
そんな石巻の、とある夏の日、いや町を挙げてのお祭りの翌朝の風景だ。
石巻壁画大作戦
※2012年11月21日(震災から622日目)の雲雀野の様子はこちら