今月2日付の河北新報で、長期間にわたって低線量の放射線を浴びることによる人体への影響について、次のような記事が報じられていたのでご紹介します。
低線量の放射線を長期間にわたって浴びることで、白血病のリスクがごくわずかだが上昇するとの疫学調査結果を、国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)などのチームが1日までに英医学誌ランセット・ヘマトロジーに発表した。
欧米の原子力施設で働く30万人以上の被ばく線量と健康状態のデータを分析した。低線量被ばくの健康影響を統計的に示した研究は少なく、東京電力福島第1原発などで働く作業員や、放射線機器を扱う医療従事者の健康管理に役立つ可能性がある。
引用元:http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201507/2015070201000814.html
データは過去60年間にフランスと英国、米国の原発や核燃料施設などで1年以上働いた人を対象に調査したもので、1ミリシーベルトの被ばくごとに相対リスクが1000分の3程度上昇するそうです。このリスクは100ミリシーベルト以下の低線量でもなくならないそうです。
同じ7月2日付の毎日新聞では次のように報じていました。
リスク上昇が非常に小さいため、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づいて政府などが定める被ばく線量限度の再検討は必要なさそう。ただ一定の線量を超えないと健康影響は出ないとする考え方は見直しを迫られそうだ。
これまで低い放射線量が人体に与える影響についてはデータが少なかったために、はっきりとしたことはわからず、専門家の間でも健康への影響を懸念する意見と、心配ないという意見に分かれていたそうです。今回のデータだけで影響があると断定できるのかどうかはわかりませんが、参考までにご紹介しました。
参考WEBサイト
紹介:sKenji