土曜日に浅草に行く用事があったので駅に行くと、行先掲示板に見慣れぬ地名が…。なんとも不思議な感覚だった。
最初は漠然と、ふうん上野かぁ、って見ていたのだけど、エッ!なんで行き先が上野なんだよ!
よくよく考えてみれば、これまであり得ない行き先だった。ただ単にJR東さんが行き先設定していなかったということではない。JR東さんは、首都圏をトラバースする路線開設にけっこう力を入れてきた。たとえば湘南新宿ラインみたいに。でも、東海道線と東北本線(宇都宮線と高崎線)や常磐線に関しては、直通運転したくても出来ない物理的な事情があったんだとか。それは上野東京間を直接結ぶ線路がなかったこと。
えぇぇっ、線路がないなんて!東京駅には地上だけでも20何番線までホームがあるくらいなのに!と驚きたくなるけれど、その理由というのは、東北新幹線を上野から東京まで延伸するために、当該する場所を使ってしまったせいだったということらしい(ああなるほど、そういうことか)。今回、新たに在来線用の線路を敷設したことで、3月14日のダイヤ改正にあわせて目出たく直通運転オープンになったのだそうな。
上野と東京が直通になるってことでぱっと思い浮かぶのは、東北に行く時に便利になるってこと。常磐線でいわき方面に行く時にも、東京から上野までの山手線の混雑でうんざり、なんてことがよくあったけど、始発に近い駅から乗って、シートに座ってぐうぐう寝ながら上野とか、もう少し遠くまで行けるのは、ともうれしいこと(新幹線を使わなくてもいいくらい時間に余裕がある時じゃないなんとできないけど)。それから、青春18切符を使う旅も、乗り換えが少なくなるかもね。
デメリットを敢えてあげるとするならば、東北や越の国方面への入口だった上野駅の存在感がちょっと薄れてしまうことか。
「ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」
引用元:石川啄木「一握の砂」
上野東京ラインの開業がどれくらいメリットがあるのか、まだよく分からないけど、ルートの選択肢が増えるというのは、まずいいことなのだと思います。でもくれぐれも、お乗り間違い、寝過ごし、乗り越しにはご注意を!