女川の復興を彩る店~セラミカ工房~

4年前14.8mの津波に襲われ、街の8割を失った女川町。
その被害は甚大なものでかつて牡蛎や帆立貝、銀鮭などの養殖漁業や日本トップクラスのさんまの水揚げ量を誇る日本有数の漁港の街の面影も残っていません。

人々の暮らしの全てをさらってしまい茶色一色が広がる女川の町。
そこで懸命に頑張っているお店を彩るスペインタイルの看板を
一軒一軒丁寧に手作りし女川の復興を支え続ける女性たちがいます。

色を失くした街を スペインタイルで明るく彩る

女川高校第2グランドに設置されている『きぼうのかね商店街』。
木造店舗30棟、プレハブ店舗20棟が並ぶこの仮設商店街の奥に進むと、
色とりどりの鮮やかなスペインタイルが並ぶ店内ではまるで外国のリゾート地のおしゃれなお店のよう。
そう、そのお店こそ『みなとまちセラミカ工房』です。

スペインタイルのデザインは全て女川の名所や名物をモチーフにしたもの。
和風のデザインも多く和柄とスペイ多くレストランやイベントなどの注文も多いようです。

スペインタイルを女川の新しい文化に

セラミカ工房の阿部さんは『「女川スペインタイル」を一過性の復興グッズではなく、女川の新しい文化として定着させ、復興の証として千年先まで残したい!という強い思いで活動している。』と語っていました。

被災し様々な困難の中で新しく事業を立ち上げた阿部さんとセラミカ工房のスタッフの皆様。
女川町中のお店の看板を作しながらこの3月21にオープンする温泉施設『ゆぽっぽ』の900枚ものタイル、全国からの注文も相次ぎ、オーダーメイドのものは現在は完成まで約3カ月待つほどの大量のタイルと格闘しています。
また、店内にある窯はものすごく暑く苦労をされたとのこと。
しかも家庭と仕事と再建の両立は大変な思いをされたことでしょう。

今や女川町中を彩るセラミカ工房さん制作のスペインタイル。
災害公営住宅「運動公園住宅」のエントランスや、宿泊施設の客室、有名飲食店やカフェなどセラミカ工房さんの看板を多く目にすることができます。

阿部さんはじめスタッフの皆様の努力が実り、セラミカ工房は新たに生まれ変わる女川町の『新たな文化』として着実に女川に根付いています。

女川の復興を担うかつては主婦だった女性たちは今もなお奮闘しています。
本当に大変な思いで頑張ってきたと思います。
その頑張りや辛い思いを押し殺して耐えている心などを少しでも分かち合えたらと思っています。
もう4年。いやまだ4年。復興ははじまったばかり。
今からでも支援や応援は遅くない。自分なりの応援をしましょう!

色とりどりのスペインタイルの花を咲かせよう

工房では多くの人に興味を持ってもらおうとスペインタイルの体験教室もあります。(筆者が訪れたときに園児ぐらいの子供がキャラクターの絵のスペインタイルをつくっていました。お子様でも気軽に楽しめますので、家族で記念の一枚を作ってみてはいかがでしょうか。)

全国各地からセラミカ工房への注文も多く日本中にスペインタイルの花が咲いています。通販も行っているのでぜひご覧ください。プレゼントなどにしてもとても喜ばれているようです。

さて、筆者もセラミカ工房さんのスペインタイルプロジェクトのお手伝いをさせてもらっています。女川へお越しの際は看板をチェックしていただくと大変よろこびます。(その他デザインも現在全力でセラミカ工房の看板で観光客が増え女川の復興が更に加速するように!願いながら作成しています。)