東日本大震災からまもなく3年 ~後編~

明日で東日本大震災から3年が経ちます。3月11日を迎える前に、もう一度震災があった当時を振り返りたいと思います。

前編では、地震発生当時、東北であった出来事について、当時の状況を伝える話を改めて集めてみました。後編では、当時の様々な援助・支援活動について調べてみます。

主な救助・支援活動について

東日本大震災では、死者・行方不明者、震災関連死を含めて、2万人以上の方が犠牲になっています。そのような中、過去最大規模の救助・支援活動が行われました。

■ボランティアの方々
 震災があった年の3月から12月までのあいだに、989,300人ものボランティア
 の方が東北で活動されました。これは、災害ボランティアセンターを通して、
ボランティアに参加された方の人数であり、実際はこれよりも多いと言われて
 います。

■自衛隊の方々
 震災から間もない15:05。航空機6機による被害状況確認を開始したのを
 最初に、最大時には10万以上という、過去に例がないほどの大勢の隊員の方が
 派遣されています。この数は全自衛官の半数近い人数だそうです。

 救助活動などのほか、福島第一原発での放水作業などの危険な任務にも
 あたっていました。水素爆発が起った際は、すぐ近くで作業をしていた隊員の方
 4名が、骨折などの怪我をされています。
 下記、活動内容について、防衛省WEBサイトに記載されていたものです。

 ○震災活動内容
  ・派遣規模:延べ人員約1,058万人
  ・人命救助:19,286名 ・ご遺体収容: 9,505体
  ・物資輸送:13,906t ・給水支援:32,985t
  ・給食支援:5,005,484食 ・入浴支援:1,092,526名
  (※最大時の派遣規模 人員:約106,350名、航空機:約510機、艦船:52隻 )

■消防の方々
 総務省消防庁のWEBサイトによると、平成23年3月11日から活動を終了した
 6月6日までの間に、総派遣人員数2万8,620人、最大時派遣人数6,099人の
 消防士の方が活動にあたられ、4,614名の方を救助されたそうです。
 救助活動以外にも、福島第一原発の冷却のための決死の放水作業も行っています。

■警察の方々 
 警察庁のWEBサイトによると、岩手、宮城、福島の3県から、最大時で、
 約12,800人体制(約4,800人、車両約1,000台派遣)による活動を行い、
 約3,750人を救助したとのことです。救助活動以外でも、治安維持のために
 全国から多くの警察官の方が派遣され、今も福島を中心に任務にあたられています。

その他にも、医師・看護師の方や、企業などを始め、数多くの組織や人が、救助・支援活動をされていました。

海外からの救助・支援活動について

東日本大震災では、海外からも多くの救助・支援活動がありました。

外務省のWEBサイトに、外国からの支援活動について詳しく書かれています。
それによると、震災から約2ヶ月間で、23の国と地域からの緊急援助隊や医療支援チームが日本を訪れており、平成23年9月までに、163か国・地域及び43国際機関から支援の申し出があったそうです。

最初の海外からの支援は、韓国。人員5名と救助犬2匹が震災翌日に入っており、14日には、102名が追加支援要員として派遣しています。

その他にも震災後3日間で米国、シンガポール、中国、スイス、ドイツが被災地に入っています。アメリカは、在日米軍により、人員20,000名以上、艦船約20隻、航空機約160機(最大時)を投入して、トモダチ作戦と名付けられた大規模な支援活動を行っています。

その後も台湾が16日、モンゴルが17日に現地で支援活動を始め、ロシアは、16、17日と2日間にかけて、総勢150名以上の規模で危険倒壊家屋にも入って捜索活動をしたそうです。そのロシア隊を率いた隊長は、

このような災害に遭っても,泣き叫ぶこともせず,略奪もせず,人を責めることもせず,黙々と(復旧)作業を行っている。日本人は,今回の災害も必ずや乗り越えるに違いない。

引用元:外務省: わかる!国際情勢 世界が日本に差し伸べた支援の手~東日本大震災での各国・地域支援チームの活躍

と語り、日本国民に力強いエールを送ったと外務省WEBサイトに書かれています。

オーストラリアは、3月16日を皮切りに、72名の消防隊員と救助犬2頭からなる緊急援助チームが支援活動を始めています。外国首脳で初めて被災地を訪問したのは、オーストラリアの首相で4月23日のことだそうです。この時、支援物資のほか被災地の子どもたちにコアラとカンガルーのぬいぐるみがプレゼントされ、子どもたちからはお礼として折り鶴が贈られたそうです。

南アフリカからは、NGO団体・Rescue South Africa(RSA)に所属する隊員45名が派遣されています。救助、捜索、瓦礫撤去作業の他、外国救助隊で唯一持ち込んたゴムボートを使用して水上、水中の捜索活動も行っています。
日本の警察が感心するほど規律が正しく、他国チームにも快く保有機材を使用させるなど協調性も高いプロフェッショナル集団だったそうです。

3月29日から4月5日まで、捜索活動にあたったインドは、初めて海外に支援隊を派遣したそうです。

各国から派遣された救助隊以外にも、多くの義援金が海外からも寄せられました。
下記は、赤十字に送られた義援金の上位5か国です。

○海外からの義援金
  米国:29億9811万8250円
  台湾:29億2894万7417円
  タイ:20億5930万8051円
  オマーン:10億7670万641円
中国:9億1997万1886円

この金額は、赤十字に贈られた義援金のみの金額です。赤十字には、被災者に直接渡される義援金のほか、救援活動の資金として使用される救援金があります。上記の数字には、救援金や、赤十字を通していない義援金については含まれていません。当時、台湾からの多大な支援については、マスコミでも取り上げられていました。台湾の人口は約2300万人だそうです。

明日で3年・・・

明日で震災から3年。改めて振り返ってみると、忘れていた話や、当時、自分が感じていたことを思い出しました。また同時に、時間がたつにつれ、自分のなかでも震災についての一部の記憶が薄れていたことにも気づきました。

震災があった年の世相を表す漢字は「絆」でした。もし、震災について、この一年を漢字で表すとすれば「風化」。のような気もします。

明日、3月11日を迎えるにあたり、もう一度、東日本大震災と東北のことを考えたいと思います。

Text:sKenji