三島駅南、県道51号線を挟んで楽寿園の向かい側にあるのが白滝公園。周辺の三嶋大社や楽寿園と比べれば、ごくごく小規模な公園ですが、その「白滝」という名前のとおり、ところどころで湧水が滝のように流れ、桜川、御殿川へと続いて行きます。個人的には、流れる水のその清涼感が気に入りました。
その桜川沿いをさらに北へ進むと、もうひとつの公園・菰池公園(こもいけこうえん)が見えてきます。この菰池は、桜川、御殿川に水をそそぐもうひとつの水源。どちらも富士山の雪解け水に由来するそうです。
白滝公園から菰池公園へ、かるーく散歩します。
白滝公園(2013.07.15)
白滝公園は三島駅と三嶋大社のちょうど中間くらいでしょうか。どちらからも徒歩5分程度の距離にありました。
ここも、大昔噴火した富士山の溶岩が生々しく見られる場所だそうです。至る所から湧水が出ているようで、どことなく湿潤な空気を感じました。
市の中心地に位置しながら、まるで森の中のような公園です。
それにしても公園の中は別世界。黒くて分かりやすい溶岩がゴツゴツしており、その上にこけがびっちり!です。雨が降っていなくとも、どこかしっとりした空気を感じるのは気のせいでしょうか。
まるで公園の奥へ数十分歩いたような景色ですが、実は入り口から徒歩10秒足らずでこの景色。スゴイもんです。
そして、ここのメインがこの湧水。
特に説明がなくとも、「あ、ここから湧いているんだな」とわかるくらい、いたる所で波紋を見つけるはずです。それでも、調べてみると、ここの湧水量は昔と比べてかなり減ったのだとか。
この湧き出た水が、段差部分で押し出されるように流れていました。決して大きな滝ではありませんが、それにしてはかなり勢いが良いと言うか、元気の良さを感じます。見てのとおり、白滝ですね~。
全盛期はどれほどのものだったのでしょうか。ちょっと気になります。
白滝公園~めぐみの子(2013.07.15)
白滝公園の南側の歩道沿いにこんなものがありました。
「富士の雪解け水が源水の三島の水。
どうぞ召し上がれ」
なんて書いてます。
粋なサービスですねェ。夏の暑い日にはありがたいです。
実はこんな感じで、竹づたいで水を注いでくれる仕掛け。よく見るとコップまで備わっていました。思った以上に冷たく、「これぞ軟水!」と思えたほど口あたりもまろやか。たかが水、されど水です。日ごろ飲む水とは違うことがわかるのではないでしょうか。
しかし、やはりこうして写真だけ見ると、標高が高い山の登山道の入り口みたいな雰囲気ですね。ですが、ここも白滝公園の敷地内。立派な車道沿いなのです。
ただ、普通にしていても、水は流れてきません。水を注いでくれたのが彼ら。「めぐみの子」という名のからくり人形で、センサーで感知してくれるのか、前に立てば人形が水を汲み上げてくれました。
三島に住んでいると、彼らを毎日のように目にしていますが、改めて見ると動きから何からいちいちカワイイです(笑)。声も出る仕掛けで「よいしょよいしょ」とか言いながら動きます。そして、季節ごとに服装が変わる点も見逃せません。
市内の見どころの中でも特に芸が細かい気がします。一度水を注いでもらってはいかがでしょうか。
桜川上流~菰池公園(2013.07.15)
白滝公園から菰池公園まで、桜川沿い、5分くらいの距離を歩きます。
菰池公園方面からカルガモの親子が泳いで(流れて?)きました。大家族ですが、保護者は1羽だけ……。人間だったら大変でしょうけど、カルガモの世界では大丈夫なのでしょうか。
頑張れお母さん。
川の上には小さな橋が架かっていて、川の上から景色が楽しめました。(足下注意)
あじさいが良い感じに咲いています。
ところどころに階段があり、川へ降りられるようになっているのがイイですね。暑い日は足湯ならぬ、足水なんてのもアリかも。
菰池公園に到着。
住宅地にある普通の公園といった感じですが、広々とした池が備わっているのが三島らしいところ。ここも、所々から水が湧いています。その昔は静かな湿地帯だったそうで、真菰(まこも)がたくさん育っていたことから、菰池公園と名が付いたらしいとのこと。
住宅地となった今も、静けさだけは変わらないようで、鳥のさえずりが聞こえてきました。
ぼーっと景色を眺めていると、散歩中のおじいさんに声を掛けられました。と言っても、「今日は涼しいねェ」といった挨拶のようなものですが。
通りすがりに挨拶されるなんて、この数年記憶にありません。久しく近所付き合いを忘れていた僕にとって、どこか新鮮で、どこか懐かしく感じました。
そして、そんな出来事も、この公園の雰囲気に似合っていた気がします。