2014年ブラジルW杯出場を決めた日本代表。本大会までの1年間、新たなオプションとして新戦力を試す機会が訪れました。ザッケローニ体制になって以後、代表に招集されても実戦で使われない選手、長らく代表候補として注目されながら召集すらされない選手もいます。ファンやサポーターの目線から、A代表で起用して欲しい選手をピックアップしたいと思います!
【柿谷 曜一朗】かきたに・よういちろう
生年月日:1990年1月3日(23歳)
出身地:大阪府大阪市都島区
身長 体重:177cm 68kg
在籍チーム:セレッソ大阪
ポジション:FW・MF
背番号:8
利き足:右
ザックが求めるサイドアタッカーに最も適合する
ザッケローニの考える2列目のサイドアタッカーは、MFでありながらFWのようにゴールを求められるハードなポジションです。しかし、香川真司は中央にポジションが偏る傾向にあり、サイドからクロスを上げる頻度が少なく、純粋なサイドアタッカーとしては物足りない印象を受けます。
柿谷曜一朗はサイドを崩すウイングプレー、フィニッシャーとしてのシュート精度も高次元に達するサイドアタッカーです。サイドを20~30mドリブル突破してクロスに持ち込むプレーを得意とし、中央にカットインしてスルーパスでアシストを狙い、ボックス内でも細かなワンツーとトリッキーなダイレクトパスでゲームメークからフィニッシュまで絡みます。
天才的なドリブル突破と一瞬の動き出し
決して派手なフェイントを持つドリブラーではなく、スピードの変化とDFの体重移動の逆を突き、スルスルと蛇のようにDFの間を抜けてくる独特のリズムを持つことから、天才ドリブラーと評されます。また、ボールの受け手として能力はJリーグでも屈指のアタッカーです。
パサーとのタイミングを計りながら一瞬のスピードでスルーパスを受ける動き、30~40mのロングパスにオフサイドギリギリでDFの裏に抜け出すフリーランは見事です。ファーストタッチの柔らかさは素晴らしく、1度目のトラップでDFを置き去りにしてフィニッシュに持ち込む精度の高さを誇ります。
エレガントなシュートでゴールを量産する
ストライカーとしての素質を図るバロメーターは、GKと1対1になったときの駆け引きと冷静さにあります。柿谷は強烈なシュートをゴールに叩き込むタイプではなく、GKのタイミングを外すようなシャープなキックでゴールマウスの四隅にシュートを流し込みます。
2013年現在、Jリーグでも13試合9得点を奪って得点王争いを演じます。エレガントなシュートフォームからGKの股間を鮮やかに抜き、GKをあざ笑うかのようなテクニカルなループシュートを難なくゴールを決めるシュートセンスは圧巻です。岡崎の得点力と香川の突破力。この2つ長所をバランスよく備えたプレーヤーこそ、柿谷曜一朗というサイドアタッカーだと思います。