【サッカー日本代表】日本VSオーストラリア・・・本田頼みの日本代表に見たメンタリティの強さと脆さ《W杯アジア最終予選》

現在、サッカー日本代表は2014年ブラジルW杯の出場に向けて、アジア最終予選でし烈な戦いを繰り広げています。2013年6月4日、W杯アジア最終予選、日本VSオーストラリアが行われました。素人サッカーファンである筆者の独断と偏見による対戦レポートをお届けします!

慎重な立ち上がり。ロースコアが予想された

 日本は勝つか引き分けるかでW杯出場が決まる大一番。対するオーストラリアは3位という厳しい順位に付けており、本大会出場ラインである2位以上を確保するために最低でも勝ち点1を奪いたい試合でした。日本のシステムは4-2-3-1。DFは左から長友、今野、吉田、内田。中盤はボランチに遠藤と長谷部。3枚の攻撃的MFは左から香川、本田、岡崎。1トップに前田を配置するというオーソドックスな布陣です。

怪我から復帰したばかりの本田、長友を先発に起用してベストメンバーを組んできたことから、ザッケローニ監督の慎重な采配が伺えました。最初から引き分けでも構わないという割り切りさえ感じられました。

本田が戻ってきたことで支配率は向上したが・・・

 オーストラリアのシステムは4-5-1。絶対的な高さを持つ1トップのケーヒルにボールを集めて、こぼれ球から積極的にミドルシュートを狙うカウンター気味の戦術を取ります。堅守速攻という形で失点だけは絶対に避けたいという意図が明確に伝わってきました。日本は本田がトップ下戻ってきたことでポゼッション率が上がり、中盤でボールを支配できる時間が増えました。

しかし、ボールが回るだけで肝心のゴール前でシュートをことごとくDFに跳ね返されるという悪い展開。香川、岡崎、本田を中心に鋭いワンツーやドリブルを織り交ぜて何度もシュートを放ちますが、オーストラリアの体を張ったディフェンスに決定的なチャンスを生み出せず、時間ばかりが過ぎていきました。

残り10分。守備的な采配に問題はなかったか?

 後半37分、左サイドをドリブルで抜け出したオアーのクロスがファーサイドに抜け、GK川島の指先を越えて日本は先制点を許します。この少し前、後半34分に日本はフォワードの前田を下げてセンターバックの栗原を投入。中央の今野を左サイドに回して守備を固め、引き分けを狙いにいきます。

指揮官の下した決断は「スコアレスドローでW杯出場」というシナリオでした。だとしても後半35分を過ぎてから動くのがサッカーのセオリー。最後の10分で逃げ切りを図ろうとする狙いは少し早すぎた気もします。運動量の落ちた岡崎と前田に代えて清武と中村憲剛を投入し、中盤を強化してボールポゼッションを安定させることが必要だったのではないでしょうか。

劇的なPK同点弾!メンタルの強さを発揮

 「先制されても慌てなかった」という長友の言葉通り、日本は最後まで慌てず諦めず腐らずにボールを追い続けました。それがロスタイムのPK獲得に繋がり、劇的な同点ゴールを生み出しました。本田や長友をはじめとする日本代表の中堅選手は海外で活躍する選手が多く、普段からタフな環境で揉まれています。

本田圭佑のPKがゴールネットのど真ん中を突き刺したのも、「あの状況で真ん中に蹴って取られたら仕方ない」という冷静さと大胆なまでの覚悟が感じられます。仮に指揮官が判断を誤ったとしても、フィールド内の選手同士で戦術を修正できるメンタリティの強さがあるのでしょう。

攻撃陣はコマ不足の感が否めない

 土壇場でW杯出場を決めた日本代表。先制されてから同点に追いつくまでのプロセスにバリエーションの少なさを感じます。前線の切り札的な存在がハーフナー・マイクだけでは不十分だと思います。ブルガリア戦で初召集を受けた工藤壮人。今後、代表入りが期待される豊田陽平など、前線のオプションを増やしてW杯本戦に備える必要があると思います。