賢島(かしこじま)「日本で唯一、鉄道駅のある島」【この島、日本で唯一】

国内には6,000を越す島々が存在します。それだけたくさん島があれば、中には一風変わった面白い島もちらほら見かけたりします。このシリーズでは、そんな島々の中でも「日本で唯一、●●な島」だけを取り上げて紹介していきたいと思います!話のネタに、島旅の参考にどうぞ!

ごくごく普通の鉄道駅「近鉄志摩線・賢島駅」

近鉄志摩線・賢島駅「日本で唯一、離島にある駅」

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「島に行くとなると、普通は船か飛行機でしょ?」

そんな声が聞こえてきそうですが、日本で唯一、鉄道駅を持つ島が存在します。三重県志摩市にある賢島(かしこじま)がその島。賢島には近鉄志摩線・賢島駅があるのです。島の上にある鉄道駅ですが、特別変わったところもない、ごくごく普通の駅。大阪、名古屋方面から近鉄特急一本で訪れることが可能です!

ココに注目!~日本で唯一たるポイント~

■1.島ではあるが、実は本土と10~20mしか離れていない!

まず賢島駅を語るに欠かせないポイントとして、「賢島は本土から10~20mほどしか離れていない」点が挙げられます!一般的な島々のように、船や飛行機で数時間かかるなんてことはないのです。ですから島と言っても、長い鉄橋をかけたり、長いトンネルを掘る必要もありませんでした。

■2.英虞湾の美しい風景と、それに目を付けた目黒蒲田鉄道の幹部

この賢島のある英虞湾(あごわん)周辺の海岸は、独特な形をした美しいリアス式海岸になっています。周辺の島々を見渡せば、賢島と同様に、本土との距離や島との間が近いものばかり。それゆえに、独特で味わい深い景色を生み出しています。

もともとの歴史をたどれば、賢島に鉄道駅が出来る予定はありませんでした。志摩電気鉄道(現在の近鉄志摩線の前身)の当初の計画では、鳥羽駅を起点に鵜方浜(現・鵜方駅)までを結ぶ予定としていたのです。鵜方浜は賢島の手前にある、志摩市の中心地的存在。つまり、島である賢島に鉄道を敷くという発想はなかったのです。

そこへ視察に訪れたのが、東京の鉄道会社である目黒蒲田鉄道(東急の前身)の幹部。リアス式海岸の美しい景色に注目し、「利益を見込むためには、賢島まで路線を伸ばし伊勢神宮の参拝客を誘致すべきだ」と提言したのです。この結果、鳥羽から賢島までが結ばれることに決定。英虞湾の美しい風景と、それに目を付けた目黒蒲田鉄道の幹部が、そのカギを握っていたのです。

こうして、日本で唯一の島の上の鉄道駅は誕生したのでした。

英虞湾の夕景(川のように見えるが、海)

■3.近鉄資本で甦った賢島!

縄文時代は人が住んでいたと考えられている賢島。ですが、その後長らくは無人島であり、生活の営みもほぼ皆無だったと言われています。

そんな賢島に転機が訪れたのは1929年。先述の志摩電気鉄道(鳥羽~賢島間)の開通がきっかけとなり、次第に活気を帯び始めます。1946年、伊勢志摩国立公園に指定されると、徐々に近鉄資本が流入し、観光地化が進みました。決定打となったのは1970年、近鉄鳥羽線の開業です。これにより、大阪、名古屋方面から賢島までが直通となり、観光地化に拍車がかかりました。

近鉄資本における代表的なものは、志摩マリンランド、志摩観光ホテル、近鉄賢島カンツリークラブ(ゴルフ場)などなど。このあたりは一度くらい、名前を聞いたことがあるかも知れませんね!賢島からは少し離れますが、近くには有名な志摩スペイン村などもあります!この一帯、近鉄資本抜きには語れません!

近鉄賢島駅

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近鉄志摩線・賢島駅

日本で唯一、離島にある鉄道駅!(三重県志摩市)

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