青いパパイヤの皮をむいて、スライサーでささがき。
そこに塩をまぶして水けを絞ったっけか。
シーチキンは缶を開けてほぐし、油をきっておく。
そうしたところに例のあれを入れて完成。
気まぐれでコーンが入ることがあったような、なかったような・・・。
肝心の作りかたは少々うろ覚え(笑)だけど、「沖縄で一番おいしかった料理は?」と聞かれれば、間違いなく、これ。名前は特に決まってなくて、普通に 青パパイヤとシーチキンの石垣島ラー油和え って呼んでたと思う。たしか。
これは、僕が5年ほど前に西表島の宿で働いていたとき、その宿で提供していた料理の中でも、何より大好きだった一品だ。その味の決め手こそ、【石垣島ラー油】という名のラー油。関西出身の僕にはちょっと、あまり見かけないラー油で、容器の半分ほどを具が占めていた。
「味の決め手」なんて言いながらも、その味はなんとも形容しがたい。それほど辛くはなく、ラー油と言うのにクセになるコク、にんにく風味の香ばしさ、薬味感あふれる具材、それから・・・と、いまひとつまとまらず、結局何味かって【石垣島ラー油】味としか言えない。
この 青パパイヤとシーチキンの石垣島ラー油和え は、決してメインになるようなおかずではなかったけれど、小鉢に付いてくるとめちゃくちゃ喜ばれる、そんな一品だった。「ご飯や冷奴、炒め物にも合う」と言われていたが、僕はもっぱらこの食べかたが気に入っていたのだ。
5年前の時点で、すでに知る人ぞ知る商品だった石垣島ラー油。西表島で働いていたときも、わざわざ船に乗って、製造元のペンギン食堂までおつかいに行ってたっけ。観光客には売らないという業務用サイズを買いつつ、自分用にも普通サイズを1本買ったりしたことを思い出した。あれは、後の食べるラー油ブームの直前だったと思う。僕が西表島に滞在している間にブームが加速し、帰るころには買えなくなっていた。
先日、大阪市内の地域物産店で、ふと石垣島ラー油を見つけた。数量限定入荷。残りの1本がそこにあったので、思わず買ってしまった。「ブームが落ち着いたかな?」と感じていたが、今もなお品薄状態が続いているらしい。おそらく、貴重すぎる1本だった。
味も確かに大好きなんだけど、それ以上に、この1本で5年前の他愛のない日々を色々思い出してしまった。 青パパイヤとシーチキンの石垣島ラー油和え のことだって、良い意味で忘れていたのに、この物産店で石垣島ラー油を見たおかげで思い出してしまった。
運よくラー油は買えたとしても、青パパイヤはきっと本州では買えないだろう。それなのに、今僕は 青パパイヤとシーチキンの石垣島ラー油和え が無性に食べたくて仕方ない。
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