数年前、僕はラブホテルと呼ばれるレジャー施設で清掃のバイトをしていました。ラブホの職場環境は「面白いと思えば面白い、特殊と思えば特殊、普通と思えば普通」という何とも不思議な感覚があります。このシリーズ?では謎の多いラブホテルの舞台裏に少しずつ迫っていきたいと思います(脇汗)。
時給700円からスタートする清掃員
バイトは安い!バイトは安い!と言われますけども、ラブホ清掃員の賃金もぶっちぎりで安いのが実情です。『キツイ、汚い、危険』な仕事は給与が高いイメージがあります。ラブホ清掃は『キツイ、汚い』という2つの条件を満たしているのに時給は据え置きの700円スタートでした!
3ヶ月ごとに10円ずつ時給が上がっていくシステムになっており、1年が経過すると最高時給である750円が提示されるのです!しっかり労働基準法を守ってくれる会社だったので、夜22時を越えると時給も2割5分増になるし、時間外労働が発生しても時給は2割5分増にしてくれます。それでも時給700円からのスタートは少し泣ける話でした・・・
清掃員は貧乏なので金の貸し借りをする
バイトで入ってる清掃員は時給が安いので基本的には貧乏です。家計を支えるためにパートで働く主婦の人。夢を追いかけながらラブホで働くフリーターなど、立場は違えど金銭に余裕のある人間は皆無です。給料日前になるとほぼ全員が金欠病にかかり、「あと何円で今月はやらないと・・・」とぼやき始めます。
「ガソリン代がないから1000円貸して!」とか「携帯代が払えないから2000円貸して!」とか普通にあります。清掃員は賃金が低いことで貧乏を共有している運命共同体です。借用書もなく口約束で簡単にお金を貸してしまいます。あまり問題にならないのは1000円~2000円という少額で取引されているからでしょう。みんな貧乏過ぎて借金の額までスケールが小さいんです!
客室清掃で時給が大幅UPする究極のシステム!
清掃員は汚かったり疲れたり飽きてしまったり鬱なことばかりが続くけど・・・一発逆転を迎えるチャンスがあったりします。それは清掃中の客室で小銭を拾う瞬間です!運がいいときは100円!運が悪くても50円!開運日には500円玉を拾うときさえあります!
時給に換算すると750円⇒850円⇒1350円と瞬間的に破格の時給に成り得るのです!TV番組の瞬間最高視聴率みたいなもんですが、例え一瞬でも時給が1000円以上に跳ね上がる瞬間があれば気分は天国です。小銭発見率の高い場所は、パチスロ機周辺と自販機周辺でした。
お客さんが機械に小銭を投入する際に落としちゃうのかも?あと、まれに階段にコインが点々と落ちているときがあります。なぜ階段で金を落とすのかは謎です。好きな女性とエッチな思いをしたことで有頂天になって頭がラリッているのでしょうか?
賞味期限の切れた食材を厨房でもらう
ホテル内の厨房にある冷蔵庫には、賞味期限が切れた食材が眠っています。放っておけば捨ててしまう食品ですが、期限切れ間際の食材をチェックしている主婦の清掃スタッフがいます。その辺りは主婦の勘が働くようで、野菜や肉を片っ端から取っていくのでマルサの女みたいな感じでした。
あとはお菓子。客室に出す予定の大量のスナック菓子が賞味期限切れを起こすことがあり、「子供が好きだからもらっていく!」という主婦がゴミ袋に大量の菓子を詰めて込んでもらっていきます。このように、ラブホテルの清掃員は賢く手堅く乞食をして貧乏に打ち勝っているのです!