数年前、僕はラブホテルと呼ばれるレジャー施設で清掃のバイトをしていました。ラブホの職場環境は「面白いと思えば面白い、特殊と思えば特殊、普通と思えば普通」という何とも不思議な感覚があります。このシリーズ?では謎の多いラブホテルの舞台裏に少しずつ迫っていきたいと思います(脇汗)。
サッカーが好きで仕方ないY主任の日常
「サッカーが好き!サッカーに対する情熱は誰にも負けない!」まるでブラジルの少年のようにサッカーに情熱を燃やす1人のホテルマンがいました。Y主任という30代の男性です。少年時代からサッカー選手を目指し、Jリーグ傘下の社会人クラブでプレーしながらプロの道を断念してラブホテルに就職した人物です。
サッカー専門誌を毎週2冊購入し、日本代表のユニフォームを着てサッカーボールを足元で転がしながらフロント業務をこなす人でした。元イタリア代表のロベルト・バッジョの大ファンで、彼を人生の神として崇拝していたほどです。
サッカーできないストレスをゲームに転嫁するY主任
僕も大のサッカーファンなのでY主任とは仲がよく、自分が所属していた社会人クラブにY主任を誘って一緒にプレーしていた時期もありました。しかし、サッカーのために無断で外出していたことが社長にバレてしまい、外出禁止命令食らったY主任はホテルに監禁される日々が続きました。
Y主任はサッカーできないストレスをゲームに求め、仕事が終わると自室にこもってウイニングイレブンに興じました。僕もゲーム好きだったので一緒に遊ぶこともありました。しかし、Y主任の自室は四方八方を客室に囲まれており、風呂場からデリヘル嬢のあえぎ声が響いてプレーに集中できないのが難点でした。
「ゴーーール!!」と実況された瞬間に「あぁんっ!あんあ~ん!!」とデリ嬢も同時にフィニッシュされると気まずい空気になります。いったん熱中すると朝方まで遊んでしまう日もあり、ゲームと掃除のどちらが仕事なのか分からない日もありました。
Wi〇〇yでサッカーゲームをダウンロードするY主任
今では違法とされるファイル交換ソフトを利用し、サッカーゲームをダウンロードしようとするY主任のチャレンジャー精神には驚かされました。「繋がらないんだよね~」と呟きながら会社のパソコンでWi〇〇yを使おうとするのです。「ウィルスに感染したらまずいでしょ?」と尋ねると、「そうなの?」と首を傾げていました。
「ポート開放の方法が分からない!」と悩んでいたので、僕はネットで調べて教えてあげました。Y主任は「ありがとう!」と大喜びしてお礼に5000円もくれました。その後、会社のパソコンでWi〇〇yを利用していたかどうかは定かではありません・・・。危険を冒してまでサッカーに情熱を燃やすホテルマンの姿に感動しました!