アルガルベ杯でベールを脱いだ新生なでしこジャパン。2年後のカナダワールドカップ、3年後のブラジル五輪に向けて、若手に経験を積ませるという佐々木監督の狙いが話題を呼びました。澤、宮間らのベテラン組を外し、U-20代表から田中陽子、田中美南など初代表組を多く選出した新生なでしこ。今大会で注目の選手をピックアップしたいと思います！
【川村 真理】かわむら・まり
生年月日：1988年12月19日（24歳）
出身地：福岡県
身長・体重：160cm・55kg
在籍チーム：ジェフ千葉レディース
ポジション：MF
背番号：28
独特のモーションで高いキープ力を持つドリブル
今大会でA代表デビューを果たした川村真理は、ドリブルもパスもできる万能型MFとして攻撃の柱に抜擢された1人でした。キープ力に優れたプレーヤーでサイドライン際でDF2～3人に囲まれてもボールを失わない強さを持ちます。
豊かなスピードと高いボディバランス、巧みなボールコントロールで左サイドを突破し、フットサルの選手のように足の裏でボールをこねるような柔らかいボールタッチからワンフェイントで相手の裏を取ります。
正確なビルドアップと一撃必殺のキラーパス
ドリブルでボールをキープしながら、顔を上げて視野を確保できるのも川村真理の強み。バイタルエリアから縦にドリブルで抜けると見せかけ、巧みなボールコントロールでタメを作り、正確なビルドアップでサイドバックのオーバーラップを引き出します。DFとDFの間に生まれたわずかな隙間を見逃さず、針の穴をも通す高速キラーパスでビックチャンスを作ります。
フィニッシュとロングフィードに課題を見せる
高いキープ力とパスセンスを備えながら、アルガルベ杯でインパクトを残せなかった川村真理。特にフィニッシュの精度とロングフィードに課題を残しました。20～30mのサイドチェンジは精度に欠け、敵にボールを渡すシーンも目立ちました。ゴール前でチャンスを迎えても、ミドルシュートはことごとく枠を外し、ロングレンジのキックにパワー不足を露呈しました。
総括
大きな期待を寄せられてA代表にデビューした川村真理。今大会では結果を残せず、佐々木監督の信頼を得ることはできませんでした。ドリブルもパスもできる器用さを持ち、ゲームの流れにアクセントをつけられる選手です。潜在能力は高いだけにこれからの成長に期待します。