アルガルベ杯でベールを脱いだ新生なでしこジャパン。2年後のカナダワールドカップ、3年後のブラジル五輪に向けて、若手に経験を積ませるという佐々木監督の狙いが話題を呼びました。澤、宮間らのベテラン組を外し、U-20代表から田中陽子、田中美南など初代表組を多く選出した新生なでしこ。今大会で注目の選手をピックアップしたいと思います!
【大滝 麻未】 おおたき・あみ
生年月日:1989年7月28日(23歳)
出身地:神奈川県平塚市
身長:172cm
在籍チーム:オリンピック・リヨン
ポジション:FW
背番号:22
早稲田大から世界最強クラブ・リヨンに入団
フランス・リヨンに本拠地を置くオリンピック・リヨンは、UEFA女子チャンピオンズリーグ2010-11年、2011-2012年を制覇した世界最強の女子サッカークラブと目されています。大学時代、留学先のカナダではヨーク大学ライオンズでプレーし、卒業後はオリンピック・リヨンでプレーする道を選びました。2012年にはロンドン五輪代表候補にも選出されて国際Aマッチ出場も果たし、佐々木監督に早くから才能を見い出された女子サッカー界のエリートです。
ボールを収める技術は世界トップレベル
ポストプレーは世界でもトップレベルの技術を持つ大滝麻未。空中からのロングパス、足元に来るグランダーパス、あらゆるボールに対して正確なトラップを決める技術を持ちます。男子日本代表に例えるなら前田遼一を彷彿とさせるプレースタイルで、ボールを足元に収めるという意味ではレギュラーフォワードの大儀見優季に勝る力を持ちます。
ワンタッチでボールを中盤に落としてDFのプレッシャーをいなす大儀見に比べて、大滝はDFのプレッシャーを受けたままボールキープできる選手です。長身と屈強なボディコンタクトを武器に、欧州の大型DFに囲まれてもタメを作れるハードなポストプレーが最大の特徴です。
ストライカーとして得点感覚にも優れる
特別に速いスピードを持つ訳ではないものの、中盤からスルーパスを引き出すオフザボールの動きは抜群です。アルガルベ杯のノルウェー戦ではDFより一瞬速くバイタルエリアのスペースに飛び出すと、DFと並走しながらボディコンタクトに競り勝ち、左足でロングシュートを放つプレーは圧巻でした。
クロスボールに対してはヘディングの強さだけでなく、足元で受けるトラップの技術も巧みです。プレッシャーの強いペナルティエリアから不利な体勢でボールを受けても、素早いターンから左右両足でシュートを打ち切れる数少ない選手です。
総括
ポスト大儀見の1番手として、センターフォワードのレギュラーを脅かす逸材です。所属クラブのオリンピック・リヨンでは7試合出場で5得点の活躍を見せる超大型フォワードです。今後、国際Aマッチで経験を積み、ストライカーとしての素質を開花させればA代表でレギュラーの一角を十分に狙えると思います。