海辺の地をゆく 「石巻市・南浜」2012年11月21日

2012年11月21日(622日目)の宮城県石巻市・南浜

見たところ、ただ美しいばかりの砂浜だが、ここは宮城県石巻市。被災地のシンボルのひとつとしてたびたび紹介される門脇小学校から歩いて行ける浜辺。写真の角度から180度振り返ると、日和大橋が旧北上川を越えて湊地区へ続く。その橋の両脇、雲雀野公園周辺はこんな有様だ。

震災で被害を受けた車が積み上げられている。

3台も積み上げられた乗用車が広い敷地にどこまでも並ぶ。これでも一時期よりは車の台数が減ったように感じる。

津波が押し寄せた南浜。地面には海砂がまだ厚く堆積したままだ。

日和大橋を上っていくと青い海が広がる。遠くの灯台に続く堤防がところどころ崩れて水没している。

橋の南側にも廃車の山が続いている。

廃車の山の奥には消防車も見える。

津波でほとんどの建築物がなくなった南浜は、風が非常に強い。

最初の浜まで戻ってきた。廃車の山の向こうはがれきの山。通り沿いにはがれき処理場も集まっている。

廃車とがれきが山と積まれた場所と浜辺をへだてる防波堤には、子どもたちの壁画が描かれている。

2005年の合併を記念して、桃生町、河南町、河北町、北上町、雄勝町、牡鹿町、そして旧・石巻市の子どもたちが描いたものだ。

震災から621日。壁画にふさわしい南浜の景色が戻ってくる日は、まだ遠い。

●TEXT+PHOTO:井上良太(株式会社ジェーピーツーワン)