「ここに故郷あり」。高木優美さんの300日(2012年1月20日)

[9月] 大きなイベントを開催した後、しっかり活動を継続して行くことが大切です。

   奉奠祭には多くの人が集まりました。マスコミにも取り上げてもらえました。しかし本当に大切なのは、イベントが終わった後も、それまで行ってきた活動をしっかり継続して行くことです。

まだ暑い日が続いた9月から10月も、解体家屋からの家財搬出やガレ花活動を続けました。ボランティアで集まってくれる人たちに、久之浜の空間放射線量がどれくらいなのか自分で計測してもらったり、ボランティア活動の後の雑談の中から次のイベントの企画を立ち上げたり。これまでと変わることなく地元・久之浜の復興に向けての活動を続けました。

[9月27日] 浅草三社祭の神輿を寄贈していただき、神輿渡御を行いました。

   浅草中央町内会から諏訪神社に神輿を寄贈していただきました。この神輿は戦後間もなく、戦災からの復興を願って作られたもの。久しぶりに神主の装束で神輿渡御に参加しましたが、なんかいいんです。自分の仕事ができるってことは言葉にできないくらいの喜びなんです。復興という思いの込められた神輿を寄贈していただいたことと合わせて、身が引き締まる思いでした。

[10月] 上野の下谷神社からは四尺の大きな神輿を寄贈していただきました。

   下谷神社から寄贈していただいた神輿は四尺もの。800キロもあって100人くらいでないと担げないくらい大きなものです。家一軒と同じくらいの値段と聞いて驚きました。

[12月18日] 久之浜クリスマスイベント~みんなの力でキラキラプロジェクト~を開催しました。

久之浜の小学校は10月に再開されたばかりでした。いわき市南部の仮設や借上げ住宅から、バスで久之浜に通っている子供たちもいます。原発事故でたいへんな思いをしている子供たちに、元気になってもらえるようなクリスマスイベントをやろう、と考えて最初に発案したのが「1万球のツリーのイルミネーション」。

それもただ点灯するだけではなく、自転車発電でみんなで点灯しようというイベントでした。「みんなの力でキラキラ」には、原発の電気ではなく、自分たちがつくった電気でイルミネーションを灯そうという意味を込めているのです。

子供たちがケーキやクッキーを手作りするコーナーや、びっくりするような豪華ゲストなど、子供たちもボランティアとして参加した人たちも、みんなが盛り上がれるイベントでした。

(2012年1月20日取材)

高木優美(まさはる)さん(北いわき再生発展プロジェクトチーム代表)

福島県いわき市久之浜町の諏訪神社の禰宜であり、いわき市の神社の付属幼稚園に勤務していた高木優美さんの人生は、2011年3月11日を境に一変してしまいます。
神職とは言えごく普通の青年だった彼が、原発被害の最前線の町の復旧の旗をふる人物になったのはなぜか。インタビューで追いかけます。