ロック!E話(日本編1)~忌野清志郎と仲井戸麗市

どうだ、弾けたぞ!

たまたま最近よく聴いている曲について調べてみたら、とても良い話を紹介してくださっているブログがあったので、その内容を参考にしてまとめてみました。

2009年、RCサクセションのボーカリスト、忌野清志郎がこの世を去ってしまいました。その翌年、

清志郎の盟友、RCサクセションのギタリストであるCHABO(仲井戸麗市)が「還暦ライブツアー」を行いました。

CHABOはこのツアーでRCや清志郎の曲を演奏するか、清志郎の話をするか、とても迷ったそう

です。ソロのステージでRCの曲をたくさん歌うのは全然違う気がする。。。

でも歌わないのもおかしい気がする。そこでCHABOはやっぱりRCの曲も歌うことにしました。

清志郎も「R&Bの名曲だ」と胸を張っていたという、とてもいいギターを聴かせる名曲があります。ギター自身が気分良く歌っているような素晴らしい、なんだか、さわやかでかわいい演奏。

その曲の名は「君が僕を知ってる」。  

CHABOはこう言ったそうです。

「清志郎は、声が高いです。一番合うのは“D”のコードです。Dだと、解放弦が多いからギタリストと

して貢献できることは少ないんだけど、この曲の間奏と“雨あがりの夜空に”のイントロは、数少ない俺の自慢です・・・ずっと言いたかったけど、初めて言った」

そしてこう続けます。

「でも俺、Dだと高くて歌えないから、Aでやることにしたの」

そう、この曲のオリジナルキーはDなのですが、清志郎の伸びやかな声が響くDのキーだと、

CHABOにとっては高すぎて歌えません。そこでCHABOはこの曲を歌うために、キーをAに下げたそうです。

でもそうすると、当然間奏のギターもDからAにしなければなりません。音程が大きく下がるため、

使う弦、押さえるフレットなど演奏の仕方を一から作り直すような作業が必要です。還暦を迎えるギタリスト・CHABOは、天国の清志郎にもこの曲を聴いてもらうため、この演奏を必死に練習し

たのだそうです。

ツアー最終日の演奏で、CHABOはこの曲が終わった後、もう一度簡単な解説付きでこの間奏の「Dのバージョン」と「Aのバージョン」を大事そうに弾いたそうです。そして、天を仰ぎながらこ

う言ったそうです。

「4ヶ月間練習しました! どうだ、弾けたぞ清志郎!」

「この曲(君が僕を知ってる)の間奏と“雨あがりの夜空に”のイントロは、数少ない俺の自慢です」

CHABOはこう謙遜したそうですが、30年も前の僕がギターを始めて間もないころ、かっこいいの

に弾きやすい「雨上がりの夜空に」のイントロを弾いてどんなに心が躍ったことか。

もう何年もギターを手に取っていませんが、今度はとても難しそうな「君が僕を知ってる」が弾けるように練習してみようかな、と思いました。ただでさえヘタクソな僕なんかでは、何年もかかっちゃう

かもしれませんけど。

●参考にさせていただいたブログ

●実際の演奏