ヘッドフォンと音
前回はヘッドフォンの試聴に出掛けました。もしかしたらその場で買ってしまったよという方もいらっしゃるかもしれません。
お気に入りの一台が見つかってよかったですね。
今回はヘッドフォンの性格をお届けします。すでに相棒が決まった方も自分のヘッドフォンがどんな性格なのかを探ってみてください。
音がなるということ
漠然とした質問からはじまりますが、音はなぜ聞こえるのでしょうか。
そうです、空気の振動です。音を鳴らす主体がなにがしかの方法で空気を震わせ、その震えを鼓膜が受け取って音は聞こえます。
この仕組みは楽器もヘッドフォンも同じです。
ところで、弦楽器はバイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのように幾つかの種類がありますが、これはなぜ分かれているのでしょうか。各楽器の出す音を思い出してください。
バイオリンは軽量な高い音、コントラバスは重々しい低い音を奏でます。これは、楽器には得意な領域があるということです。
バイオリンは高い音が出せる代わりに低い音を出すことができません。ヘッドフォンにも同じことが言えます。高い音が得意なもの、低い音が得意なもの。
ただ、楽器の中でもピアノのように低い音から高い音までまんべんなくカバーするものもあります。
これと同じように、ヘッドフォンもバランスよく音を出せるものもあります。
ヘッドフォンの性格
さて、ヘッドフォンには得意不得意があるというお話をしました。こんな話が出てきたら、ヘッドフォンを選ぶのが難しくなってきますよね。
この問題は「好み」が解決してくれます。答えはあなたの中にあるのです。
音楽にはロックやジャズ、ポップスなど色々なジャンルがあります。携帯音楽プレーヤーの中にはどんな曲が入っていますか?
あくまでも、一般的な話ですが、
ロックを聞くのなら低い音が得意なもの、歌が好きなら中くらいの音が得意なもの。オーケストラなどは高い音から低い音までたくさんの楽器を使いますから、バランスの良い物を選ぶのがいいでしょう。
この「好み」というものは、ヘッドフォンを作るメーカーもよくわかっていて、
ヘッドフォンに味付けをすることがあります。
ここまで、ヘッドフォンには性格があるというお話をして来ましたが、この性格が面白い現象を生むことがあります。一番わかり易いのは、聞こえなかった音が聞こえるようになることです。
まさかと思いますが、ヘッドフォンによって音が持ち上げられて、それまで気づいていなかった音に気がつくことはままあることです。
また、頭の中や眼の前で楽器が鳴っているように聞こえることがあります。
ヘッドフォンから音が出ているのではなく、あたかも頭の中に楽器が出現してそれが音を奏でているような感覚です。このように、高い音、低い音だけではなく、音の場所や広さを大切にしているものもあります。