東京都が公表した新たな被害想定に関する記事まとめ(2012年4月18日公表)
東京都が4月18日に発表した首都地震での被害想定では、都内の最大震度は「7」、死者数は9,700人を上回るというショッキングなものになりました。4月19日には、各紙ともこのニュースを大きく取り上げましたが、産経新聞(4月19日)に掲載された記事のまとめを作成しましたのでご利用ください。
リンクをクリックするとぽたるニュースに掲載された産経新聞の記事が開きます。掲載期限が経過した後のことも考慮して、記事のポイントも記しました。
これまで想定の基準としてきたプレート境界地震と直下型地震に加え、発生間隔が約2300年とまれな元禄大地震のタイプも考慮した点がポイント。東日本大震災で震源域が広い範囲で連動したことを重視して、最大級の地震想定となった。
4月18日に公表された「首都直下地震等による東京の被害想定」は、従来の想定に最新の研究成果を反映して地震発生時の被害想定を見直したという。「東京湾北部地震」(M7・3)と「多摩直下地震」(M7・3)はプレートの深さが従来の予想より浅かったことを受け、震度などを見直し。さらに「元禄型関東地震」(M8・2)と「立川断層帯地震」(M7・4)による被害想定を追加した。
東京都防災会議地震部会の専門メンバーを紹介するとともに、東京都の醍醐勇司・危機管理監は、今回の被害想定について、正しく恐れることで災害への備えることが重要とのコメントを紹介した。
首都直下地震では沿岸部などの埋め立て地を中心に広い範囲で液状化現象が発生することが予想される。半壊数は6万戸超。さらに全壊は1134棟と想定された。東日本大震災では、液状化による不同沈下などで広範囲に被害が発生した。今回の想定はあくまでも東京都だけでの数字である点に注意。
東京都の地震想定で「震度7」が示された地域、橋が落ちれば孤立する沿岸部、火災が懸念される住宅密集地で聞いた声をリポートする。自分の身は自分で守るしかないとの言葉が重たい。
建物などの倒壊による自力脱出困難者は、東京湾北部地震が冬の午前5時に発生した場合で6万5000人と想定された。地震により消防や警察が十分に活動できない可能性がある中、要救助者の救出には近隣住民による自助・共助が重要と指摘。近所づきあいが希薄な大都市での大災害発生が懸念される。
東京湾沿岸の老朽化した火力発電所が被害を受けることで、電力不足が長期化する恐れを指摘。稼働40年前後の老朽火力発電所の発電量が、合計約1千万キロワット分であり、首都直下地震の発生で運転停止になる可能性に言及した。
東京湾沿岸の老朽化した火力発電所が被害を受けることで、電力不足が長期化する恐れを指摘。稼働40年前後の老朽火力発電所の発電量が、合計約1千万キロワット分であり、首都直下地震の発生で運転停止になる可能性に言及した。
今回想定に加えられた元禄型関東地震では、湾岸部で最大2.6メートルの津波が発生すると指摘。その場合でも津波による死者は出ないとされた。島嶼では最大22メートルの津波を予測しながら、死者数や全半壊棟数などは示されなかった問題点を指摘している。
市街地では帰宅困難517万人、避難者が339万人にのぼると想定された。自宅まで20キロ以上の遠距離通勤・通学者と見込まれ、東京都が全国にさきがけて3月に制定した「帰宅困難者対策条例」についても紹介。応急仮設住宅の問題なども指摘した。