みんなと同じことができない自閉っ子の13歳

娘が13歳になりました。

8月の地獄のようなパニック頻発は何だったんだろうというぐらい大きなパニックは減り、かかりつけの先生が頓服として処方してくださった抗精神病薬の出番はなし。

台風シーズン突入で毎年機嫌がすごく悪い9月第2週あたりの1週間ほどはさすがに大きなパニックが何度もありましたが、「8月に比べればマシ」「この程度なら薬は使わないでいたい」という気持ちでした。

ただし薬を否定しているわけではなく、さすがに娘がツラそうだ、自分たちもキツイと思った時は使うことを躊躇しないつもりです。

バースデーケーキは飲みもの

寝つきが悪い、眠りが浅い

あの問題が収まればこの問題が発生、の波の中で最近困っているのは寝つきが悪いこと。親を自分のベッドに引っ張ってきたくせに今度は「あっちへ行け」と押しのけ、じゃあ一人で寝てくれるかと思うとまたリビングへ戻ってきてソファーでウトウト。

ここで寝ちゃ困るよと娘を抱き起して部屋へ連れて行くとまた「あっちへ行け」と押しのける。でも寝ない。リビングへ来て横になり、また目がとろん…の繰り返し。

再び娘の部屋に連れていき、トイレを済ませたからいいだろう、と娘の部屋のドア外側に取り付けたカギをかけて(ネット通販で買ったドアノブストッパーでノブを回せないようにする)放っておく。

そのあと物をバンバン投げたり機嫌の悪そうな声が聞こえれば様子を見に行くのですが、一定時間以上物音がしなくなってからそーっとドアを開けると、電気を点けっぱなしにしたまま寝ているというのが最近のパターンです。

休日はしっかり二度寝をキメる

夜は、3日のうち2日ぐらいは3時半前後に起きます。起きると例によってわたしたちが寝ている部屋のドアノブをガチャガチャ、ノックをゴンゴンするのですが、そのしつこさと強さが半端ではないのでとても無視し続けることができず、お茶(ノンカフェイン)入りの水筒とiPadを与えて自分は寝室へ戻りカギをかける。そのあといつ起こしに来るかは娘まかせ運まかせです。

まあ大体1時間おきに催促が来るのでまともに寝られることはありません。それでも以前のようにリビングで付き合うことはせず、ベッドの上で横になっていられることをありがたいと思って目を閉じているしかありません。

実際は起こされるたびに「うるせえなあもう!」と愚痴りながら対応してますが、この波もいつかは収まる。時期の早さは期待しないけれども「必ず終わる」ということを拠り所として心の健康を守ろうとしています。

映画「さかなのこ」

さて、先日さかなクンの自伝をもとに作られた映画「さかなのこ」を観てきました。主人公「みー坊」を演じた能年玲奈さん(今は「のん」さんですね)は「あまちゃん」の頃と変わらず目がキラッキラ。

磯村勇斗さん(沼津出身)、柳楽優弥さんを中心にその「みー坊」を取り巻く不良軍団のみずみずしい表情がとても良かったです。

さかなクンは「TVチャンピオン・魚通選手権の宮澤クン」時代からの大ファンで、優勝すると公衆電話からお母さんに報告していた姿が印象的です。

映画の中でも「みんなと同じことができなくてもいい。好きなことを一生懸命やればいい」というお母さんと、そうではないお父さんとの食い違いが(あからさまにではなかったですが)描かれていました。

さかなクンのように「好きなこと」に関してその能力が突出していたり、そのことが人をすごく喜ばせるというのは特別な例かも知れません。

でも「みんなこうしてるよ」「みんな一緒に」をことさらに重要視しようとし、「同じようにできないことで何が困るか」の意味を深く考えることもなく「できないこと自体」がおかしい、至らない、劣っているとすることがある日本の社会や教育は、結局のところ「みんなを窮屈にしてしまう」んじゃないかと強く思いました。

この映画には、沼津市の牛臥海岸、西添町あたり(推定)、神田町、大平のあたりなどなど知っている場所もいくつか登場しました。配信が始まったら、「みんな」ってなんだろう、「できるできない」ってなんだろう、なども考えたりしながら、ゆっくり細かいところまで観たいと思います。