自閉っ子がメラトニンを飲んだら

2カ月ほど前の記事

でご紹介したとおり、睡眠が安定しない娘が夜中に起きてしまう頻度が高くなってきたこと、わたしたち親の睡眠不足がいよいよ深刻になってきたということでお医者さんに相談し、昨年からようやく日本でも販売されることになったメラトニン(薬品名「メラトベル」)を処方してもらうことになりました。

メラトニンと睡眠の関係については、その時の記事中に引用したものをもう一度ご覧ください。

・セロトニンは脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料。メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった概日リズムを調整する作用がある。

・メラトニンは夜になると分泌量が増えるとされているので、日中に太陽光を浴びて(メラトニンの原料である)セロトニンをつくっておくとよい。

引用元:大原薬品工業:「けんこう名探偵」- ワン太郎が教える「健康のヒミツ」vol.1(2)-より抜粋、要約

「メラトベル」は細かい顆粒で無味無臭、少量の飲み物に溶かしても良いということで、薬が飲めない娘でも大丈夫。

娘がふだんから飲んでいるルイボスティー(カフェインはありません)を少量注いで溶かし、そろそろ寝てほしいな、というタイミングでさりげなく水筒を手渡します。

さて、その効き目ですが…

「寝つき」はびっくりするほど良い

初日と2日目だけはなんとなく反応が鈍かったような記憶がありますが、その後の寝つきはすこぶる良好!あーなかなか寝てくれない…なんてことがほぼなくなりました。

「よく寝たー!」って顔に書いてありますね♪

眠りが深い

入眠直後から深い眠りについていることがわかる理由があります。「爪切り(削り)をしても反応しないから」です。

何度かこちらのページでもご紹介しているように、娘は爪切りを絶対にさせてくれないので、夜、娘を寝かしつけてくれたママと入れ替わるようにわたしが寝室へ行き、暗い中で手の爪を削ったり足の爪を切ったりしています(足の爪を切る時は災害用LEDヘッドライトを装着!)。

ただしよく寝ていると思っても指を触っただけで手足を引っ込めてしまうことが多く、やむを得ず次の日に再挑戦…の繰り返しだったのです。

しかしそれがほとんどなくなりました!夢の「爪切り放題削り放題」です。

本当は起きている時に爪切りできないといけないんですけど…伸びた爪を放置するわけにはいかずやむを得ず寝ている間にやっている爪の手入れ。メラトベルがもたらす深い眠りによって、成功率が格段に上がりました。

朝もさわやか。機嫌もおおむね良好♪

「メラトベルが効きすぎて、寝起きが悪くなったらどうしよう」なんて心配もありましたが、それも大丈夫。よく寝た日は親が起こさなくても自然に目覚めます。

質の良い睡眠は気分にも影響するようで、今のところは朝昼晩を通じて大きなパニックがほとんどなくなりました。

ただし空腹や甘えによって目の前にいる人の服や髪を引っ張ったりすることはまだあります。これは睡眠の質とは別の原因があると思います。大きな課題です。

目指せ8割!

残念なことにまだ中途覚醒はあります。まるで計ったように3時半に起き、やがて「リビングへ行くぞ」と引っ張られます。

21時半に寝て3時半に起き、これまでだったら5時ごろに二度寝をするはずなのに、眠りが深いからなのかそのまま元気に朝を迎えることもあります。これだとパパママは今までより眠いんですけど…。

一応の目安として「中途覚醒なしで7時間以上連続して寝てくれたら合格」と設定しているのですが、メラトベル服用開始40日のきのう現在で「23勝17敗」。大きく勝ち越す週もあれば、平気で4連敗してみたり。トータルでやっと「まあまあ」といったところでしょうか。

でも本当にしんどかった日々に比べたら、よく寝てくれる日は確実に増えました。「偶然よく寝てくれる日を待つ」のではなく「よく寝てくれる日があるとわかっている」のは気分が大きく違います。

負けが込んでいた時期にはメラトベルの増量(上限まではまだ余裕がある)を検討したほどですが、長い人生のうちのまだ40日。とりあえず量はこのままで継続していくことにしました。目指せ勝率8割!

「5年生」が終わりました。

コロナ禍でいろいろあった1年間でしたが、あんなに不安定な睡眠だったにもかかわらず、娘はパニックによる遅刻も、風邪などの体調不良によるお休みもゼロ!すごく元気に学校生活を過ごしてくれました!

学校や放課後等デイサービスの先生方、ご近所のみなさんに感謝です。新年度もがんばりますよ!

終業式の朝。1年間がんばったね♪