自閉っ子旅行の難関「食事処」で起きたうれしいこと

前回、松崎町・雲見への小旅行でお世話になった「浜道楽」さんでとってもうれしいことがあったと書きました。きょうはその自慢です。

到着してすぐこの表情。「泊まるんでしょ」ってなんとなくわかるみたいです。

お夕食はお食事処で

宿に到着して説明を受けていると、渡された案内に「お夕食はお食事処となります」という旨のことが書いてありました。

娘は多動が激しいため、イスにじっと座っていられず出歩いてしまいます。仕草もへんてこりんだし、謎の歌をずっと歌っています。ですから娘と宿に泊まる時には必ず「部屋食」あるいは「個室での食事」ができるかどうかを調べます。

一度、大きな宴会場の家族ごとに分かれたテーブルで食べるタイプの宿に泊まってみたのですが、スプーンを投げたり勝手に歩き出す娘のことを気にしながらの食事は大変でした。

せっかくの旅館なのに何を食べたかぜんぜん覚えていない、しかもヘトヘトに疲れるだけの時間になってしまいました(これはわが家の事情であって、宿に落ち度があるわけではありません。ここははっきりと)。

近年はコスト削減のため食事の部屋出しをする宿がどんどん減っています。昔ながらに部屋食を提供している宿や「個室で食事」「部屋食」のプランはお高いことも多いですが、他のお客さんにご迷惑をかけない(つまりわたしたちも安心できる)ように部屋食のある宿を選ぶようにしているのです。

ということで係の方に「スミマセン、うちは部屋食のプランを予約しています」と告げたところ、なんと「お部屋食のプランは、数年前からやっていないんです」とのこと。

Deep 青い海 海海!

しまった。勘違いだ…

係の方がすぐに呼んでくださった女将さん曰く「申し訳ありません、当館では数年前からお部屋食を廃止してすべてお食事処での食事となっているのですが、どちらかの予約サイトにお部屋食の表示が残っていたんでしょうか…いま確認したところでは見当たらなかったのですが…」

どうやらわたしたちは「部屋食」で宿を検索したとき、どこか古い情報が残ったサイトで見つけたプラン名(ただし今は部屋食ではない)を手がかりに予約してしまったのでしょう。そしてその後、予約確認メールの内容を細部までチェックしていませんでした…。

そこで、すがる思いで娘の障害について簡単にお話ししたところ、事情をすぐに察してくださった女将さんは食事処(大宴会場を「ついたて」で仕切って用意する各お客さんごとのスペース)のうち、わが家の場所をいちばん端、かつ出入口に近いところにご用意しますとすぐに言ってくださったのです。

頭の中には以前泊まった宿でのヘトヘト食事図絵が甦っていたので「ついたてがある」「出入りしやすい」だけでもありがたいこと。こちらの勘違いなのに、その場で対応してくださってホッとしました。

さらにうれしいお知らせ

部屋に入って荷物をほどいたあと、男女に分かれてすぐにお風呂に入りました。

「宿に着いたら"なるはや"でお風呂に入る」はわが家の温泉旅行ポリシー。明るくて空いているお風呂をのびのび楽しめるからです。

大浴場の露天風呂。全裸で入りました。

快適なお風呂に娘も大喜び。娘はそのあと部屋についてる露天風呂(そういうプランなのです)にも入りましたよ(*^-^*)

そんなこんなでママと風呂上がりのビールを堪能していると、部屋の電話が鳴りました。電話の向こうは女将さんのようです。受話器を置いたママは

「『お食事しやすいようにレイアウトをちょっと工夫したのでご覧になりますか?』って言ってくれたよ!見に行こう♪」

とニコニコ。さっそく3人で見に行きました。

ほぼ個室♪

わたしたち家族のスペースを端にしていただいただけでありがたいのですが、その他にも、なんということでしょう---

わたしたちのスペースを大宴会場の舞台側・廊下側の角に。障子戸は「わが家だけの出入口」になっています。

しかも部屋の角であるわたしたちのスペースを「ついたて」で完全に囲んだ「ほぼ個室」状態。

これなら「娘が他のご家族のスペースへ出ていかない」だけでなく、他のご家族にわが家のわちゃわちゃした食事風景をお見せせずに済みます。

さらに、まわりのようすが見えないことは、娘の意識を強く引き付ける「視覚による刺激」がないこと。これが非常にありがたいのです。

到着してからわかったこちらの勘違いなのに、すぐに行き届いた対応。女将さんとスタッフの方には感謝しかありません。

娘は史上最高食欲

そんなわたしたちの安心感が娘にも伝わったのか、ほぼ個室での食事は絶好調!

うれしいことにどの料理もすごくおいしくて、娘はわが家の外泊史上最高の食欲を発揮しました。

もちろんわたしもママも最高の気分で、すべてのお料理をしっかり味わい尽くすことができました。

落ち着く娘。すみっコぐらし。しかもわたしの背後に娘が通れるすき間ができないようなテーブル・イスの位置になっています。これも重要。

次の朝、さらにびっくり

うれしい驚きは翌朝にもありました。

前日夜と同じスペースでとった朝食は、前日の夕食の様子を見てわたしとママへの配膳が娘の世話をしやすい位置に微調整してあったり、火を使うアジの干物は娘が届かない位置に配膳してあったり。

わたしもママもうれしくて「泣きそう~!」と言いながら満面の笑みでおかわりを連発しました。

こちらが朝食。細かいものまでいちいちおいしかったです。

合理的配慮ってなあに?

障害者の支援について考えるとき「合理的配慮」という言葉があります。