うちのアスペ君 Part11 ~ピアニカ~

わが家の息子(10歳)はASD(自閉症スペクトラム)です。

今では使いませんがより分かりやすくということで、心理療法士の先生は「アスペルガー」という言葉で息子を表現されていました。

今回は息子の学校の課題だった『ピアニカ』のお話です。

ピアニカ担当になちゃった・・・

ある日息子から、学校の演奏会でピアニカ担当になったと報告がありました。

「弾けない・・・。やりたくない・・・。」

「音楽の時間を全部休みたい・・・。」

とのネガティブ発言連発。

苦手なことがあって不安になると毎度のことなので、「やるしかないじゃん。見てあげるから~。」といつもの調子で息子に声をかけていました。

いつもなら極力苦手なことはやらないで、何となく時間が過ぎるのを待っているので、今回もそうなるかと思い様子を見ていました。

実際に楽譜を見ると、ピアノを弾くことがない男子には難易度が高い・・・。

ゲーム音楽のロマンシングサガの楽譜

譜面も読めないのに1オクターブ上の音符が出てきたり、黒鍵を使ったり、転調したり、リズムも非常に複雑・・・。

(こんな複雑な楽譜、小学4年の男子が読めるの????)と思っていると、おばあちゃんにすべて音をカタカナ表記してもらっていました・・・。

自分では一切努力をしません・・・。

練習もしません・・・。

私はというと、(まぁ、音楽が出来なくても生きていくのに困るわけじゃないしね~。)なんて呑気に過ごしていました。

いきなり練習を始める息子

ピアニカを弾くことについては、記憶のかなたに行ってしまった私。

ある日息子が「ママ。ピアノ教えて。」と言ってきました。

「練習するの??」と聞くと、息子から「1/2成人式で演奏するから頑張る」との返事が。

1/2成人式で自分の姿を見てほしいという気持ちによって、やる気スイッチが入ったようです。

とは言え、かなり難しい楽譜なので練習すれば本当に弾けるのか、私も心配になってきました。

ということで、多くの人にフォローしていただきました。

まずは、娘のピアノの先生にお願いして、短期でレッスンしていただくことに。

そして、通級でも先生に見ていただくことになりました。

クラスでは、ピアノ女子に教えてもらい休み時間に練習。

もちろん家でも私がレッスンしました。

本当にビックリするぐらい練習していました。

長い時間のレッスンは息子にはきついようで、短い時間数回練習する方法を自分で考えて実践していました。

1/2成人式2週間前には、暗譜して完璧な状態に!!!

本当にビックリです。

発表当日

当日の発表会では子供たちだけで考えた、生まれてから今までそして未来の自分たちを表現した劇をやりました。

そして合奏はというと。。。最高でした。

今回演奏した『ロマンシング サガ』は先生が音源を聞いて楽譜に起こしたそうなんです。

息子の楽譜は世界に一つなんですね。

(先生。文句を言ってごめんなさい。。。素晴らしい演奏でした。)

やる気スイッチが入れば、苦手なことも、やりたくないこともできることに驚きました。

もちろん多くの人にフォローしていただいて、本人も十分努力したからこその成功ですが、やる気スイッチが子どもの可能性を広げることを身をもって知りました。

発達障害とか不器用とか関係ないと心から思える出来事でした。

今回の成功体験は、息子の自信につながったと思います。