【復興支援ツアー2018レポート】復興に向き合う人との出会いや、自然の魅力を感じる旅 byバイキンマン

大船渡の語り部ガイドTさんのお話

奥に見えるのが大船渡市立末崎小学校

12月23日(日)の2日目は、椿の里・大船渡ガイドの会のTさんにお話を伺いました。

今年から小中学校の校庭に建てられていた仮設住宅が、次々に取り壊されているそうです。

7年間校庭の片隅で体育の授業が行われ、小学校生活で一度も校庭を駆け回ることができない学年もあったようですが、ようやく子供たちが校庭を駆け回ることができます。

そしてまず最初に訪れたのは『加茂神社』。

津波がきた時に、多くの人がこの高台に逃げました。

足に自信があった人は、ここではなく遠くまで走って逃げたそうです。

しかし、そうやって遠くへ逃げて助からなかった人もいるそうです・・・。

Tさんは子供たちに「津波が来たときに遠くに逃げてもダメ。近くの高いところに逃げよう。」とおっしゃっていました。

青い看板まで津波が来ました

高台から景色を見ていると、Tさんが写真を出しました。

Tさん「この写真に人が2人写っているね。カメラマンが360度回転して周りの景色を撮影してまたこの場所を見たら、この2人がいなくなっていたんだよ。なんでだと思う?」

子ども達「・・・?」

Tさん「ここに写っている2人は津波にさらわれてしまったんだ。津波は何度も繰り返し来る。そして押し寄せる波より引き波のほうが力が強くって、あっという間にいなくなってしまったそうなんだ。」

津波警報解除は2日後の午後5時58分だったそうです。警報が解除されるまでは決して戻ってはいけないとおっしゃっていました。

息子には強烈な内容だったようです。
帰りの新幹線の中でも、Tさんのこのお話をしていました。

大船渡魚市場へ

お次は大船渡魚市場へ行きました。

旧大船渡魚市場は、老朽化や衛生管理エリアの不備、開放的で鳥獣類の侵入を防ぐことができない理由から、平成21年3月に新たな大船渡魚市場の建設が進められていました。

しかし、平成23年3月11日の東日本大震災により被災し、工事が中断されて、平成26年3月に完成したそうです。

市場の片隅にこんなにおしゃれな空間が!

3階に行くと展示室があります。

ここの展示室は、水産業や魚市場の紹介がされていました。

子どもが遊びながら学ぶことができ、予定時間をオーバーして楽しみました。

三陸復興国立公園(碁石海岸)

碁石海岸レストハウスに戻って、碁石海岸の見どころ一つ雷岩・乱曝谷(かみなりいわ・らんぼうや)を見に行きます。

碁石海岸は、岩手県から宮城県にある三陸復興国立公園の一部です。

三陸復興国立公園は、東日本大震災により被災した三陸地域の復興に貢献するために、平成25年5月に創設された国立公園です。
南北の延長は約220km、北部は「海のアルプス」とも称される豪壮な大断崖、南部は入り組んだ地形が優美なリアス海岸が続きます。海岸にはウミネコやオオミズナギドリなどの海鳥の繁殖地があります。また、海岸の独特の環境に適応した多様な海岸植物が生育しており、野生生物を間近に観察することもできます。浅海域にはアマモ場や海藻藻場が形成され、海洋の生物多様性を支える場にもなっています。
八戸・宮古・釜石・大船渡・気仙沼など日本有数の水揚げを誇る漁港を有しており、新鮮な海の幸を味わうことができるのも魅力です。災害からの復興を目的のひとつとした、国内では前例のない国立公園であり、防災教育の学習を目的とした人々も全国から訪れています。

引用元:環境省_三陸復興国立公園_公園の特長

息子がガイドのTさんに「妹は震災の日に生まれた」と伝えたところ、涙ぐんでいらっしゃいました。

大切なお友達とその息子さんを震災で亡くしてしまったそうです。

震災の語り部だけでなく、東北の美しい自然も案内してくださり、終始笑顔でお話してくださいましたが、あの震災で大切な人をたくさん失ったのだと感じました。

大船渡市立博物館

上:2011年3月11日撮影 下:2018年3月11日撮影

椿の里・大船渡ガイドの会のTさんとお別れして、碁石海岸レストハウスから車で1分ほどの大船渡市立博物館へ。

平成31年2月28日まで「東日本大震災 大津波写真展」を開催しています。

せっかくなので他の展示も見ると、地質展示や考古・民俗展示などがありました。

さらに奥に進むと、過去の地震の資料写真がありました。

この奥は過去の津波の資料写真