自閉症は「脳(中枢神経)の障害」なので本人にコントロールできないことが多く、「睡眠」について何らかの問題を抱えていることもしばしばあります。
うちの娘は「夜中に起きてしまう」ことが多いです。多いというより「夜中に起きるのが普通」であって朝までぐっすり寝てくれるのは週に1~2回あるかないか。だいたい「深夜3時半ごろに起きて5時ごろにまた寝る」のがパターンです。
こういう状態になって何年が経ったのか、もう覚えていません。そしていまも続いています。
娘が寝つく時間はほぼ規則正しくて、いつも20時45分から21時半ぐらい。起きるのは最近だと2時から4時ぐらい、再び寝てくれるのは3時から5時ぐらいでしょうか。
上の記事の続きにも書いたように娘はあまり騒ぐことはしませんが、ずっと歌ったり拍手をしたり、わたしたち親の腕や顔を引っ張ったりするので、娘が起きている間はわたしも起きています。
以前は「また起きちゃった」とか「なんで寝てくれないんだ」とイライラしたりしましたが、最近はほとんどありません。イライラしたって良いことはひとつもないからです。「そのうち寝るから平気」。そう心に言い聞かせてひたすら待ちます。
とは言え早く寝てくれるのがみんなにとってベストなので、いくつかの「作戦」を実行します。
この香り…
「早よ寝ろ作戦」のひとつめは「アロマオイル」です。
たまたま身内がアロマの会社にいる恩恵でわが家にはさまざまな種類が常備されており、「気持ちを落ち着かせる」とか「眠りを促す」アロマを選んだりブレンドして、娘のパジャマや枕にちょっとつけます(ロールオンやミストのタイプがすごく便利)。
「眠りを促す」とよく言われるアロマのひとつがラベンダーです。昔の映画でラベンダーの香りをかいだ原田知世さんが速攻で眠って時をかけていたので、眠りに効くイメージは強いです。年齢がバレますね(^_^;)
最近わが家で使っているのはそのラベンダーを含めた3種のブレンド。とても気持ちいい香りで、わたしたち親にも良い影響を与えてくれていると思います。
ほわほわ包む
もうひとつは「音楽」です。こちらは安易にYouTubeで見つけた「眠くなる音楽」的なものをスマホでかけるだけ。
大ざっぱにいうと「エンヤ」みたいな、森とか海を感じさせるほわほわした感じのヤツです。エンヤだとボーカルがありますが、うちでは「エンヤっぽいインスト」をかけます。
これも最初の1回2回は効き目があったような気がしました。でも最近はどうでしょう、もう効いてないかな…。
急に眠くなる
起きている間、娘はだいたいベッドの上に座ったまま、歌ったり意味不明のことをしゃべったり、カーテンを開け閉めしたりしています。
やがて1時間から2時間(最長記録は3時間)経ったころ、娘は猛スピードで枕に舞い戻ってきて横向きになり、自分のこめかみから目の上のあたりにわたしの腕を置けと引っ張ります。こめかみとか目の上に、ある程度の重みが欲しいらしいです(こういった「圧迫刺激」についてはまた別の機会に)。
これが「眠さの限界サイン」。こうなればあと5分ぐらいで「二度寝」に成功です。
ちなみに「眠くなる音楽」として使っているのはちょうど2時間ぐらいの音源です。娘が寝た時点でまだ曲が聞こえていたら起きて2時間経っていないことになりますから、わたしも「もうちょっと眠れるな」という安心の目安になります。
しかしすでに曲が終わっていたとしたらそれは「もう朝だ。起きとけ」という恐怖の宣告です。わたしはここからまた深い眠りに入ってしまうと目を覚ました時にかえってキツく感じるタイプなので、そのまま起きる方を選択します。
ことしはツラそう
そうして迎えた朝の娘はどんな様子なのか。冒頭にご紹介した以前の記事では
(娘は)よく寝た日と違ってパッとは起きないのですが、不思議なものでなんとなく揺さぶったりしているとそのうち起きます。眠さから不機嫌になることはあまりなく、ちゃんと学校へ行くことがほとんどです。きっと眠いのに…これも脳みその神秘ですね。
と書きました。しかし最近は残念なことに「ぜんぜん起きてくれない」ケースが増えています。
かわいそうだけど…
これまでなら体を揺すったり、Eテレで好きな曲が流れたらわりと簡単に起きてくれたのに、そうはいかなくなってきました。
スヤスヤ眠る娘…でもごはんと着替え…ギリギリまで寝かせてあげられる時間を逆算し、それを過ぎたら「無理やり起こす」しかありません。
「無理やり起こす」=「怒って暴れる」です。眠い眠い娘は目を閉じたまま、あるいは薄目で必死の抵抗。かわいそうだし、蹴られたり引っかかれるこっちも痛いし、つらいですが、ここで起こさないと遅刻ばかりになってしまいます。
とはいえこれまでの経験上、暴れるのは長くて20分ぐらいとわかっています。やがて娘は憑き物でも取れたようにいつもの超かわいい顔を取り戻し、だいたいちゃんとご飯も食べてくれます。
かわいい服を着せ、かわいい髪をとき、かわいい顔を拭いてかわいい玄関へ。玄関にあるイスに座るとだいたい「学校スイッチ」が入ります。
暴れた日も「なるべくいつもどおりの行動」を心がけているので、いつもの電車に間に合えばいつもどおり。ひと駅電車に乗ってスクールバス乗り場へ。
もし電車に間に合わなければクルマでスクールバス乗り場へ。スクールバスにも間に合わなければ最終手段、クルマでそのまま学校まで送っていきます。
学校大好き♪
娘は特別支援学校小学部の3年生ですが、スクールバスに間に合わず直接学校へ送り届けたのは覚えている限り入学以来1回だけ。「暴れても20分」「結局いつも間に合う」というあたりが、あきらめずに娘の支度を頑張ろうというモチベーションになっています。
まあ本音を言ってしまいますとかなりのプレッシャーとストレスです。その「圧」とか「負のエネルギー」を使って発電とかできればいいのに(笑)。
なにより助かるのは「娘は学校が大好き」ということです。起きるのがツラかった朝でも、たいてい頭の上に「ルン♪」という字と記号が見えるほど嬉しそうにバスへ乗り込んでいきます。バスの窓から笑顔でこちらを見てくれたりしたら、もうそれで最高です。
わたしやママがそのあとどうやって眠気と闘うか、そこに秘策はありません。でも互角の勝負をしていると思います。これからもがんばりますよ~!あ、互角じゃダメか(笑)。