絵画から戦争を知る_アッツ島玉砕

アッツ島

第二次世界大戦で唯一、北アメリカで行われた地上戦でがあります。

アッツ島の戦いです。

一年中雨か雪の極寒の地であったアメリカ領のアッツ島を、昭和17年(1942年)に日本は占領しました。

翌年の昭和18年5月12日に、上陸したアメリカ兵と5月29日までの17日間、壮絶な戦闘を繰り広げます。

日本軍2,600名あまりでアメリカ軍10,000名あまりと、人数で圧倒的不利なうえ、日本軍は食料も弾薬も底をついており、明らかに勝ち目のない戦いです。

しかし降伏は許されず、「生きて虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓によって、全滅するまで戦いました。

wikipediaより「日本軍は雀ヶ丘(Engineer Hill)で全滅した」

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戦争画

第二次世界大戦中、日本は戦意高揚のため戦争記録画家として、描写力の高い藤田嗣治に絵を描かせます。

藤田自身も陸軍美術協会理事長に就任して、積極的な創作活動がされます。

そんな中、アッツ島での玉砕の知らせを受けた藤田は、「アッツ島玉砕」を描きます。

陸軍美術協会理事長時代の藤田

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藤田嗣治によって描かれた「アッツ島玉砕」

日本刀を振りかざす日本軍と鉄砲を持つアメリカ軍が入り乱れ、濁流にのまれたような混とんとした場面が描かれています。

悲しみというよりは、戦うことしか許されなかった日本兵の覚悟を感じます。

2週間ほどでこの作品を完成させ、各地を巡回した時、人々はこの絵の前で手を合わせたそうです。

確かに壮絶な場面を描いているけれど、この絵からは「国のために命をかけ戦う」という言葉が思い浮かびます。

玉砕を美化しているようにも感じる絵だと私は思います。

人々の戦意を高揚させてしまう絵というのもあるのだと感じる一枚です。

この絵は「東京国立近代美術館」所蔵です。

残念ながらパブリックドメインになっておらず表示できませんが、ぜひ見てください。