東松島市のJR野蒜駅前に、虹色のライトアップがきらびやかに輝いていた。
ほぼ月遅れのリポートにはなるが、その模様を写真でお伝え。
津波で被災した旧野蒜駅から、高台に路線事移転したJR野蒜駅。駅舎を出ると右手の岡に虹がかかっていた。風に揺れながら、虹色の光は少しずつ変化していく。
イルミネーションの下にはその趣旨が次のように記されていた。
東日本大震災以降、私たちは国内外からたくさんの支援をいただき、復興への道を歩んできました。今ここで、感謝を伝えるとともに、心をひとつにさらに前へ進もうという想いから、『希望の虹』プロジェクトが始まりました。
メッセージは、市内の子どもたちをはじめ、ご支援をいただいた自治体やボランティア団体、企業など多くの方々からお寄せいただきました。一人ひとりの感謝の気持ちや復興への願いがランタンに込められています。
この虹は、市民の皆さまと東松島市地域おこし協力隊がひとつずつ丁寧に手作業で組み立て、1万個の『希望の虹』に仕上げました。それぞれに1万人のメッセージが組み込まれ、皆さまの想いが、この復興の地に虹となって輝いています。
引用元:1万人のメッセージ「希望の虹」
灯されたランタンの1つひとつに、メッセージが書き込まれている。メッセージが書き込まれたランタンが風に揺れ、色彩を変えていく。メッセージが書き込まれたランタンの1つひとつは小さなものかもしれないが、1万個が形づくるイルミネーションは圧巻だった。
こころをつなぐ 1万人メッセージ 『希望の虹』は2016年11月19日に点灯され、当初2017年1月19日までの点灯予定だったが、 住民の声で3月31日まで点灯期間が延長された。
このイルミネーションは駅前の造成地の建設に合わせて点灯されたものだという。年末年始のイルミネーションという意味もあったのだろう。3月11日を越えて31日まで灯され続けたことになった意味、延長を求める声がどのようなものだったのかを思う。
希望の虹は年度末で消灯した。4月2日付けの「東松島市地域おこし協力隊一同」のFacebookに撤去作業の様子が掲載されている。
その記事にはこんな一節があった。
ランプは無くなりましたがこれからは、少しずつ家々の灯りがこの町の、希望の明かりとなって、消えることなく灯り続けるでしょう。
イルミネーションがなくなっても、希望の虹に寄せられた想いはいまも灯されている。