今回はじめて参加した復興支援ツアー。今まで仲間が見てきたこと、聞いてきたことを、自分の目で見る・聞く貴重な機会となりました。私の場合は二日間でしたが、ギュッと濃縮された旅となりました。
震災復興伝承館(JR仙石線 旧野蒜駅)
2016年10月1日にJR仙石線旧野蒜駅の駅舎を改修してオープンした施設です。野蒜駅と言えば、震災遺構として保存されることが決まっているプラットホームの映像が思い浮かびます。ここでは被災されたスタッフの方に、当日の様子や津波がどのように押し寄せてきたのか、お話を伺うことができました。
駅舎には3.7mの津波が到来したと記録されていますが、実際には駅舎の目の前を流れる東名(とうな)運河により、10m以上の波が3.7mまで低くなったとのことです。いくら低くなったとは言えそれでも3.7m、想像しただけで手足が震えます。
震災復興伝承館の2Fから北側を写した写真です。
現在、東名運河から南側は災害危険区域の第1種区域、第2種区域に指定されており、通常の住居は新築できません。
東名運河より北側の地域は災害危険区域ではあるものの、第3種区域となっており一定の条件を満たせば新築・建替えが可能です。
写真の奥に見える建物は新築住宅で、道路から1.5mかさ上げされているなど条件を満たしているとのこと。
帰途では新しい野蒜駅を通過したので高台から見下ろすことができましたが、ほぼ更地になっていて、ほとんど何もない状態でした。ポツポツと民家はありましたが、緑色の少ない世界です。
写真は震災復興伝承館の展示スペースにあった、震災前後の野蒜地区の比較です。
震災復興伝承館(JR仙石線 旧野蒜駅)
シーパルピア女川
初日のシーパルピア女川訪問は主におかせいさんでの昼食がメインでしたが、美味しい海鮮丼をいただきつつも、この短時間のうちにダンボルギーニを見ることも目的のひとつでした。と言うのも、3月19日の復幸祭に参加できない私にはダンボルギーニを見るチャンスはここにしかなかったからです。
完全に個人的な趣味で写真撮りまくってます。ブレーキローターからタイヤのトレッドパターンまで再現されてて最高でした。
右奥に見えるツールキャビネットの中も、ダンボール製のラチェットレンチやモンキーレンチなどの工具が満載です。男の夢を叶えてくれます。
ダンボルギーニの後ろにコッソリ写っていたガンダム、じゃなくてダンボールロボヘルメット。オトナの事情でガンダムではないそうです。。
シーパルピア女川
おがつ店(たな)こ屋街
おがつ店(たな)こ屋街は石巻市雄勝町の仮設商店街で、2016年6月に現在の場所に移転したそうです。バスの運転手さんが誤って旧住所に行ってしまうというアクシデントもありましたが無事到着。県内の道を知り尽くしている運転手さんも知らないということは、町並みの急速な変化が想像に難くありません。
ここでは雄勝硯生産販売協同組合さんにお邪魔しました。雄勝硯というのは初めて見たのですが、とても綺麗な品のある硯でした。書道が趣味の妻にいつかプレゼントしようと思います。硯以外にも料理用のプレートも売られていて、こんな素敵なプレートで料理をいただいてみたいと思わせてくれる一品でした。
石巻市立大川小学校跡地
様々な報道や個人ブログなどでも数多く書かれている大川小学校の悲劇。私自身は当事者ではないのに、この話に触れるだけで胸が苦しくなります。でも、二度とこんな悲劇を繰り返させないとして、精力的に活動なさっている遺族の方々もおられます。本当に勇敢だと思います。自分が同じ立場だったら同じことができるだろうか。。
津波が迫ってくるとき子どもたちはどんなに怖かっただろう、繰り返さないために私たちは何ができるだろう、もし事が起こったときにみんなが冷静に判断・行動できるようにするにはどうしたらいいんだろう。そんなことばかり考えていました。
大川小学校跡地
石巻市 日和山公園
わざわざ「石巻市」日和山公園と書いたのは、語り部さんに日和山は日本全国にたくさんあるとお聞きしたから。
日和山(ひよりやま)は、日本各地にある山の名前である。船乗りが船を出すか否かを決める際に日和を見る(天候を予測する)ために利用した山で、港町に多い。
昨年、さぶさんが数えてくれていた231段の階段を私も体験してみました。実際に登ってみると段差がまばらで、想像以上に登りにくいものでした。いくら日中とは言え、大勢の人が押し寄せる中、子供やご高齢の方は特に大変だったろうと思います。
背中に津波が迫る中、どこまで登れば安心できるのかもわからない状態で誰もが不安だったろうと想像できます。
最後に
その他にも、津波伝承女川復幸男に参加したものの盛大にすっ転んだりと珍エピソードはありましたが、道中は常に震災の爪痕を意識させられました。
7年目に入った今でも手付かずに思える箇所もたくさんあり、復興の進んでいるところ、なかなか進んでいないところの両面を、たった二日間でも数多く意識させられました。
離れていてもできることはあるけれど、実際に行かないとわからないこともある。今回のツアーは後者を強く感じさせられた旅でした。今度は家族全員で現地を訪れてみたいと思っています。企画してくれたみんなありがとう!そして貴重な機会をくださったJP21に感謝です。