気仙沼市朝日町、港に面したエリアの様子。
この建物には「気仙沼総合庁舎」の看板が掲げられているが、同じ名前の建物は震災の翌年解体され、より内陸部の東浜街道沿いで新築工事が進められているらしい。
建物の最上階には「津波避難ビル」の表示。そして2階の窓の上の青いプレートは「津波浸水高さ」を示している。手前の防潮堤はこの地を襲った津波とほぼ同じ高さ。
水門などの設備はまだ造られていないが、合同庁舎前の防潮堤はまさに壁のようだ。
驚いたことには壁のような防潮堤に四角い窓が開けられている。
窓にはガラスがはめられていて、陸地側から海側の様子を見ることができる。強度とか経年劣化とかメンテナンスとか気になることはいろいろあるが、防潮堤で海が見えないせいで津波に巻き込まれた人がたくさんいた教訓から設置されたものなのだろう。
合同庁舎の壁面には、屋上まで上がることができる避難階段が設置された。
被災した建物の多くが撤去され、更地が広がる中、新しいビルの建設も始まっている朝日町界隈。津波への備えが不可欠な場所だということを防潮堤や避難階段が物語っている。
朝日町付近は気仙沼港の先端に近い。付近では三陸沿岸道路の工事も進められている。高速道路の整備と並行して、地域内の道路整備も急ピッチだ。
その一方、防潮堤の外側の埠頭付近には、いまも震災がれきの残骸が残る。
公園の名称を記した大きな岩も転がっている。
海上保安庁の巡視艇が停泊する埠頭は、震災で破壊された当時のままだ。
気仙沼湾の奥から、大島行きのフェリーが近づいてくる。あの船に乗れば、気仙沼のいまの様子を海から眺めることができるだろう。