【熊本地震】アスベスト飛散の危険性とその対策について

アスベストが使われているという天井(出典:Wikimedia Commons)

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熊本県の公式WEBサイトに気がかりな情報が掲載されていました。

「被災した建物からのアスベスト(石綿)飛散・暴露防止のための対策」というものです。

熊本地震だけに限ったことではなく、これまでも災害発生時には指摘されていたことですが、損壊した建物からのアスベストの飛散が懸念されています。

今後、被災物の撤去が進むにつれ、アスベストによる健康被害の可能性が高まる恐れがあり、住民や業者、ボランティアなどに注意を促しています。

アスベストについて

アスベストは石綿とも呼ばれ、クリソタイル、クロシドライトなどといった繊維状の天然鉱物の総称です。熱などに強く安価なため、天井や壁などの建築資材を始め、多くの場所で用いられてきました。今は使用されていないものの、昔、学校の理科の実験で、石綿金網を使った経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

アスベストの繊維は極めて小さく、細いものでは10万分の1~3mm(※髪の毛の約5千分の1の太さ)程度です。そのために空気中に飛散しやすく、人間が吸い込む可能性も少なくないといいます。

体内に入ったアスベストは肺がんや悪性中皮腫などを引き起こす危険性があるとされ、現在では製造や使用など全面的に禁止されています。

しかし、平成18年9月1日時点(※)で使われていたものについては、使用継続が認められており、現在も大量のアスベストが除去されずに残っているといいます。

(※複数の種類があるアスベストのうち、クロシドライトなどは平成7年に禁止されています)

アスベストが含まれている可能性があるものについて

アスベストによる健康被害を防ぐためには、使用されている可能性があるものを把握し、近づかないことが一番です。

現在、アスベストを含むものは3,000種類以上あると言われており、その9割以上は建築資材といいます。

具体的なものとして、ビルでは天井や壁、外装、内装に使われている建材に含まれているほか、鉄骨の柱や梁などに吹き付けられていることが多いとのことです。住宅では古いお風呂場や台所で使用されている可能性があります。

建築資材以外にも自動車のブレーキ、電線の被覆材、器具の断熱材、シーリング材や一部の家電製品(※)にも使われていました。

ちなみに仮にアスベストが含まれていても、破損さえしていなければ飛散している可能性は低いといいます。

(※古いヘアドライヤー、トースター、電気オーブン、電気こたつ、電気ストーブ、アイロンなど。昭和62年度以降に製造されたほとんどの製品では、使用されていないとのことです)

飛散の可能性がある場所でのアスベスト対策について

アスベストの飛散が疑われる場所に近づかないことに越したことはないものの、作業などをしなければならない状況もあります。

そのような時は防塵マスクの着用が強く薦められています。使用するマスクは下記リンクに記載されているような、国の規格などを満たしているものである必要があります。

ちなみにアスベスト繊維は服に付着する可能性もあります。防護服を使用するのが一番ですが、ない場合にはヤッケなど、繊維が付きづらいものを来て、作業後に濡れ雑巾などで拭き取るといいそうです。

また、防塵マスクの着用以外にも

・アスベストが含まれているものにブルーシートをかける。
・アスベストを含んでいるものは極力、切断や破砕を控える。
・アスベストが含まれているものを切断や破砕する場合は、水をかけて飛散量を減らす。

なども効果があります。

震度7の揺れが2回も襲った熊本地震では12万棟以上の建物が損壊しています。アスベストの繊維が浮遊している可能性もあり、住民やボランティアの方の健康被害が心配です。アスベスト飛散対策を行った上で、復旧作業が早く進むことを心より願っています。

参考WEBサイト