【シリーズ・この人に聞く!第57回】声優にも挑戦した天才子役 芦田 愛菜ちゃん

虐待をテーマにしたテレビドラマ「Mother」で一躍脚光を浴びた天才子役、芦田愛菜ちゃん。まだ就学前の6歳というから驚きです。今秋公開の映画「怪盗グルーの月泥棒3D」では、海外アニメーション作品の日本語吹替え版として声優に初チャレンジ。楽しいだけでなく、ホロリと感動できるストーリーで愛菜ちゃんの声の演技が光っています。親子で楽しめる3D映画の見どころを愛菜ちゃんへお聞きしました。

芦田 愛菜(あしだ まな)

2004年(平成16年)6月23日生まれ。
特技はスイミング、ピアノ、お料理、ダンスなど。
本作『怪盗グル―の月泥棒 3D』で初の声優に挑戦。
TVドラマでは日本テレビ「Mother」道木怜南役、映画では『告白』森口愛美役、また、最近のCMで、「セブンアンドアイホールディングス ランドセル~愛菜の宣言篇~」など映画、ドラマ、CMなどで演技力が高く評価されている子役。
素顔はお人形遊びの好きな女の子。来春、小学校へ入学する。

気持ちを作って演技に臨む役者魂

――先日まだ日本語で声をかぶせていないオリジナル版を拝見しましたが、とってもおもしろかった。愛菜ちゃんは声優に初挑戦でしたが、テレビドラマよりも難しかったですか?

声優のお仕事は、役のアグネスの口と愛菜の声を合わせないとならないし、気持ちを込めてセリフを言わないとならないから難しい。ドラマは、自分で動いているので、ドラマのほうがちょっと簡単かなって(笑)。

ヘッドフォンをつけ2~3時間集中してアグネスを熱演。立派な役者さんです!

――愛菜ちゃんはドラマでは、『気持ちを作って演技をする』とどこかで話しているのを聞いたけど、脚本を読んで気持ちって作れるもの?

はい。読んで気持ちを作ります。
セリフを読んで、耳で聞いて、口に出して言って、それで覚える。それはドラマも声優も同じです。

――でも愛菜ちゃんは6歳になったばかりで、それができるのは天才だと思う。「怪盗グルーの月泥棒 3D」では三姉妹の末っ子アグネスを演じていますが、どんな演技が難しかった?

ジェットコースターのシーンでキャ~ッと叫ぶんですけれど、ただ叫ぶだけではなくて笑い声も入れてと言われていたのになかなかできなくて、何回もとり直してやっとOKをもらえたんです。

3Dならではの迫力あるシーン!!

――どのシーンが一番おもしろいと思う?

ジェットコースターに乗っているシーンと、宇宙船を狙ってピストルでバンバンバンと撃つシーンもおもしろいと思います。

『飛び出す!飛び込む!そばにいる!そして最後はみんなの目から涙が溢れだす!映画館が初めてアトラクションパークになる!』 (C)2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

――3Dの映画で画面のシーンと合わせて揺れたり、飛び出てきたり、風を感じたりしてドキドキしました。愛菜ちゃんも3Dメガネをかけて映画を観て、同じ気持ちだったかな?

最初は3Dメガネをかけていたけれど、途中で眠っちゃいました(笑)。
お家では3Dでないバージョンでも観ましたが楽しかったです。

――ミニオンという小さな黄色いキャラクターは、バナナが正体ですって?

グルーの仲間たちで、DNA、脂肪酸、それに2と1/2カップのつぶしたバナナを材料にしてネファリオ博士が創ったんです。それぞれに名前があってデイブ、ジェリー、ティムなどがグルーの右腕とされています。かわいいですよ。

――グルー役の鶴瓶さんやベクター役の山寺宏一さんは役柄ぴったりですが、愛菜ちゃんはどんな印象をもちましたか?

鶴瓶さんとは6月にワールドプレミアに招待されて一緒に行きました。やさしくて、本当のお爺ちゃんみたいな人。グルーは最初怖い人だと思ったけれど、ホントは寂しがり屋なのかな、と思った。ライバルのベクターはメガネをかけた顔も山ちゃんとそっくりです!

6月27日のワールドプレミアに招待された鶴瓶氏と愛菜ちゃん。約7000人が参加したロスアンゼルスのNOKIAシアターにて。

天才の素顔はカワイイ6歳

――現場にはいつもお母さんが一緒にいてくれるの? お母さんはやさしい?

はい。お母さんがいつも支えてくれています。ご飯も一緒に食べたり。お母さんは…怖いです(笑)。

「本当の親子のよう」とワールドプレミアで海外に称賛された鶴瓶氏と愛菜ちゃん。

――愛菜ちゃんが事務所に入って演技をしようと思ったきっかけは何でしたか?

うーんと。お母さんが今所属している事務所(ジョビィキッズ)のオーディションがやっているのを聞いて、受けてみたのが3歳の頃です。人見知りをしないタイプで、赤ちゃんの頃からいつもニコニコしていたんですって。

――じゃあ、こうして演技できるのは天性の素質ですね。アグネスも夜になると「絵本を読んで!」とグルーに甘えるけれど、愛菜ちゃんも絵本をお母さんに読んでもらっている?

毎日、お母さんが読んでくれます。最近は、好きな絵本を何回も読んでもらっています。本がだ~い好きです。

――物語の世界に入り込めるって素敵ですよね。こういう女優さんが目標!というのはありますか?

いいにおいのするクッキーが焼けて、ピアノも弾けて、やっぱり女優さんもしたいです。

――将来3つの仕事が同時にできるといいね。お家に帰って何する時間が一番楽しい?

リカちゃん人形で遊ぶこと!今のリカちゃんは4代目かな。リカちゃんハウスもありますよ。

編集後記

――ありがとうございました! 3D映画ならではの臨場感をたっぷり楽しめる『怪盗グル―の月泥棒 3D』は、アメリカっぽいギャグが散りばめられてとっても笑えます。でも泣けるツボも押さえているので親子で観てもいいかも。仕事に対する愛菜ちゃんの姿勢は、6歳とは思えないほど大人っぽくてビックリ!演技をする時は、台本を覚えるだけじゃなくって、「気持ちをつくる」んですね。本来の自分じゃない気持ちをつくれるなんて、生粋の女優さん!愛菜ちゃんのこれからの演技にも注目しています。

取材・文/マザール あべみちこ

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